科目名 | |||
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教育学特殊 | |||
担当教員名 | |||
綾井 桜子 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2022 | 授業コード | 52211 |
開講期間 | 10月3日(月)~12月26日(月) | 曜日・時間等 | 月曜日、18:20~20:05 |
本授業では、フランス近現代の教育について、背景にある社会的文脈、歴史的文脈、思想的潮流を視野に入れながら概説します。知とのいかなる関わり方をもって教育的と考えるのかという、いわば教育的思考様式なるものは、時代や文化によって様々であり、その一側面を本授業では浮き彫りにしたいと考えます。
フランスの学校教育のなかでも、日本との違いが比較的、顕著にみられる中等教育を主として扱います。主なテーマは、哲学の教育、バカロレア、論理的思考の形成の三つです。同時に、コンピテンシー・ベースの教育にどう向き合うのかという、現代日本にもみられる教育課題をとりあげ、教育の方向性における共通性と差異について検討を試みます。
第1回講義内容
イントロダクション
第2回講義内容
フランスの学校教育を支える教育観;主知主義、知育を通した理性の啓培
第3回講義内容
フランス中等教育について① 近代ヨーロッパにおける教育システムの構造変容のなかで
第4回講義内容
フランス中等教育について② 現代的課題(1980年代~)
第5回講義内容
バカロレアについて
第6回講義内容
リセの哲学教育① 目的
第7回講義内容
リセの哲学教育② 内容
第8回講義内容
リセの哲学教育③ 小論文(ディセルタシオン)を通じた哲学的思考の形成
第9回講義内容
フランスの教養・文化観とポストモダン
第10回講義内容
コンピテンシー・ベースの教育と新自由主義(概説)
第11回講義内容
コンピテンシーと教養(フランスの場合)
第12回講義内容
総括
その他の学習内容
・課題・レポート
小レポート(2回)、および授業内に提出するリアクションペーパー(数回)の内容により評価します。
プリントを適宜配布する
『教養の揺らぎとフランス近代 知の教育をめぐる思想』/綾井桜子 勁草書房 2017
『現代フランスの教育改革』/フランス教育学会編 明石書店 2018
『「論理的思考」の社会的構築 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育』/渡邉雅子 岩波書店 2021
その他、参考文献を授業内にて提示します。
小レポートや授業内に提出するリアクションペーパーの内容について、授業内で紹介し、コメントします(フィードバック)。その際、紹介した内容について、受講者相互の積極的な意見交換を期待します。
予習として、各回のテキストの該当箇所を事前に読み、概略をつかんでおくこと(60分程度)。また、事後学習として、各回で扱った内容について、専門用語を含めてまとめておく(60分程度)。