授業科目の内容

14世紀から17世紀にかけて制作された短編の物語群であるお伽草子（室町物語）を鑑賞する。『源氏物語』に代表される王朝物語が貴族の恋愛を題材としたのに対し、お伽草子では、貴公子や姫君はもちろん、武士や庶民、芸能者・宗教者、神仏や異類にいたるまで、物語の主人公となってさまざまな活躍を見せる。奇想天外な物語は絵とも結びつき、素朴な絵本から豪華な絵巻まで多種多様な展開を見せる。本講義では、中世の説話や芸能、絵画資料なども視野に入れながら、お伽草子に描かれた女性像について考える。
この授業には、担当教員の国文学研究資料館での実務経験（古典籍の展示や講座の企画・運営など）から得られた知見が反映されている。

第1回講義内容
概説―室町の文芸

第2回講義内容
概説―お伽草子の特徴

第3回講義内容
洗濯する女１―『酒呑童子』を読む

第4回講義内容
洗濯する女２―『酒呑童子』を読む

第5回講義内容
蛇と化す女１―『道成寺縁起』を読む

第6回講義内容
蛇と化す女２―『道成寺縁起』を読む

第7回講義内容
三角関係の果て２―『磯崎』を読む

第8回講義内容
三角関係の果て２―『磯崎』を読む

第9回講義内容
苦しむヒロイン１―『鉢かづき』を読む

第10回講義内容
苦しむヒロイン２―『鉢かづき』を読む

第11回講義内容
頼朝を寿ぐ芸能者１―『唐糸草紙』を読む

第12回講義内容
頼朝を寿ぐ芸能者２―『唐糸草紙』を読む

その他の学習内容
　　・課題・レポート
　　・小テスト

成績評価方法

平常点（出席状況及び毎回の小テスト、30％）とレポート（70％）による評価。

テキスト（教科書）※教科書は変更となる可能性がございます。

異界へいざなう女―絵巻・奈良絵本をひもとく/恋田知子 平凡社 2017年
字典かな　出典明記・改訂版/松尾聰 笠間書院 1972年

参考文献

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

講義で取り上げる各作品については、図書館等を利用して各自あらかじめ目を通すよう心がけてほしい。
各作品の一部を原文で読んでもらうなど、くずし字習得の機会も設けたい。

講師の実務経験※実務家としての経験があり、その知見が授業に反映されている場合に、「あり」と表示されます

あり