授業科目の内容

　政府は多くの経済政策を遂行し、経済成長と国民生活の安定、効率性の追求と公平性の確保などを目標としている。特に、予算編成や税制改正は、資源配分や所得再分配など国民生活に大きな影響を及ぼし、経済成長とも密接な関わりを持つことから重要である。
　本講義では、経済政策の中から、財政政策や税制改革を題材として、日本経済が抱える長期的課題について複数の観点から検討し、国家のグランドデザインの構築に向けた今後の方向性について考察する。

第1回講義内容
経済政策と政府の役割

第2回講義内容
政府の失敗（１） ブキャナン＝ワグナー「公共選択論」

第3回講義内容
政府の失敗（２） ニスカネン「官僚の予算最大化仮説」

第4回講義内容
財政政策と政策評価（１） 予算編成・執行・決算など日本の予算制度

第5回講義内容
財政政策と政策評価（２） 予算編成過程における政策決定プロセス

第6回講義内容
財政政策と政策評価（３） 日本の財政政策の課題、エビデンスに基づく政策立案（Evidence-based Policy Making）

第7回講義内容
市場理論（１） パレート最適、市場均衡の数学的分析、余剰分析と政策効果

第8回講義内容
市場理論（２） 課税のミクロ経済分析（従量税・従価税）

第9回講義内容
税制改革における合意形成（１） 租税３原則「公平・中立・簡素」、税制改革のトレードオフ

第10回講義内容
税制改革における合意形成（２） ラムゼイ「逆弾力性の命題」、消費税の軽減税率制度

第11回講義内容
経済政策の将来 国家のグランドデザインの構築、全体最適解の追求

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
　　・課題・レポート

成績評価方法

講義中に実施する課題やレポートなどを基に総合的に評価する。

テキスト（教科書）※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

特になし。ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学の理論については、初学者も理解できるように解説する。