科目名 | |||
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農業経済論 | |||
担当教員名 | |||
大平 哲 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | 日吉 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2022 | 授業コード | 62215 |
開講期間 | I期 8/8~8/13 | 曜日・時間等 | 1~2限 9:00~12:45 |
経済社会の近代化・現代化の中で農業が果たす役割について理解するために歴史的事実、理論を総合的に学習します。国内外の農業の実態も学習します。とくに日本の農業の現状、および将来像を考えることを授業の最大の目的にします。経済理論の応用科目であるので、事実を知ることだけでなく、理論をつかってそれらの意味を深く理解することを大事にすることには注意してください。経済原論を学習済みか、学習中である学生が履修することが望ましいです。
農業をめぐる経済問題を考察することが授業の目的です。農作業や農法などの知識は多少は紹介しますけど、この授業にとっては重要なことではありません。また、農家経営論のようなこともこの授業では取り上げません。経済社会全体の中での農業の位置づけを考えることや、農業に直接には係わらない一般国民の経済生活にとって農業をどのように理解すべきかを考えるのがこの授業の趣旨です。
第1回講義内容
農業を考える意味:現代の日本で農業問題を考える意味について議論します。食の安全が問題になっている中で食料を生産する産業である農業について理解を深めることは言うまでもなく、食料生産とは異なる農業の役割にも注目が集まっていることを紹介します。
第2回講義内容
食の安全(1):食については偽装の問題をはじめ、同じような社会的問題が次々におきます。リスクがどのようにして生じるか、それらリスクにどのように接すればよいのか等々の議論を経済学の理論を用いて理解します。第1回、第2回の理解を確認するための小テストをします。
第3回講義内容
食の安全(2):第2回の議論の継続、およびその関連で農業生産を理解する上での基礎的な自然科学の知識を整理します。
第4回講義内容
途上国における農業問題:低開発途上国における農業部門の位置づけを解説します。多くの人びとが就業しており生活の基盤になっているという意味で農業はきわめて重要な産業です。一方、途上国政府は工業化をすすめることを優先しているので政策における農業部門の相対的重要性は低くなっています。第3回、第4回の理解を確認するための小テストをします。
第5回講義内容
中進国における農業問題:第4回の継続、および中進国段階に達した国々で農業問題がどのように変質するかを解説します。
第6回講義内容
先進国における農業問題:第5回の議論と交差させながら先進国での農業問題の一般論を話します。第5回、第6回の理解を確認するための小テストをします。
第7回講義内容
農業保護政策:農業部門を保護するための政策の一般論を解説します。国際貿易論の基礎を農業部門のことを意識しながら解説する回になります。
第8回講義内容
日本の農業の歴史・現状(1):現在の日本の農業問題を理解するために、まず食糧管理法が果たしていた歴史的役割を確認します。また、農業協同組合の役割についても見ます。第7回、第8回の理解を確認するための小テストをします。
第9回講義内容
日本の農業の歴史・現状(2):農地法が果たしてきた役割を見た後、現在の日本での農業の現状を理解する論点を整理します。
第10回講義内容
日本の農業の歴史・現状(3):食料生産とは異なる農業の役割を意識しながらら日本の農業の現状・今後の方向を話します。第9回、第10回の理解を確認するための小テストをします。
第11回講義内容
第10回までに残された論点の整理や履修者からの質問に回答します。
第12回講義内容
全体の総括をします。また全体の理解を確認するためのテストをします。
その他の学習内容
・小テスト
毎日の授業で授業内試験をおこないます。その合計で平常点を出し、最終日の試験の点数と合計した総合点で成績評価をします。
次の方針を考えています。
・小テスト点(最初の5日は各回20点満点×5回)+最終日試験(満点は20点よりは高く設定)を合計して総点を出す
・欠席を1回しても成績に致命的な影響がないような工夫をする。たとえば、配点が他の日よりは高い最終日試験を欠席したとしても、それだけでDになることはないようにする。
・例外対応(病気や仕事都合での試験欠席への対応など)はしない。(とりあえずこの原則を考えています。例外を設けるとしたらどのようなことが可能か第1回の授業で話し合った上で履修者(その日の出席者)全員で決定します。
・最終日試験も含めて追試はない。
必要な資料がある場合はウェブ上で配布、資料の出所の紹介をします。
資料の配布、その他授業情報をウェブ上で出します。受講期間中にウェブページの閲覧ができなければ成績がつかないというわけではないですが、閲覧できることを前提にしての話が多数あります。そのことは了解した上で履修を判断してください。
受講者の要望や質問によっては授業内容を柔軟に変更することもあります。このシラバスに書いてあることをまったく取り上げなくなることはないですが、どのくらい取り上げるかは授業の進行に合わせて判断します。