授業科目の内容

　本年度の夏期スクーリングでは、刑法各論の講義を行います。
　刑法各論では、殺人罪や詐欺罪、放火罪といった個別の犯罪類型の成立要件や典型事例、各犯罪の相互関係などについて扱います。特に、各犯罪の区別に関する判例・学説を学び、一見した限りでは何罪にあたるのかがわからない限界事例を適切に処理できるようになることを目標とします。また、本講義では、実社会とのつながりを重視し、時事問題の検討を通じて、日々の新聞報道などをより専門的な見地から読み解く力を涵養することも目指します。

第1回講義内容
刑法各論の全体像と学び方

第2回講義内容
刑法による生命の保護

第3回講義内容
身体に対する罪

第4回講義内容
自由に対する罪

第5回講義内容
個人の私的領域を侵す罪

第6回講義内容
社会的存在としての人の保護

第7回講義内容
財産犯①

第8回講義内容
財産犯②

第9回講義内容
財産犯③

第10回講義内容
放火罪｜文書偽造罪｜風俗犯

第11回講義内容
公務執行妨害罪｜賄賂の罪

第12回講義内容
総括（期末試験を含む）｜展望

その他の学習内容
　　・希望者には、リアクションペーパーの用紙を配布します（提出は任意とします）。

成績評価方法

期末試験により評価します。
ただし、リアクションペーパー（任意）の内容や出席状況などを考慮に入れることがあります。

テキスト（教科書）※教科書は変更となる可能性がございます。

『刑法各論〔第3版〕【新・論点講義シリーズ2】』/井田良＝佐藤拓磨 弘文堂 2017
『刑法各論判例50！』/十河太朗＝豊田兼彦＝松尾誠紀＝森永真綱 有斐閣 2017

参考文献

『入門刑法学・各論〔第2版〕』/井田良 有斐閣 2018
『刑法の時間』/佐久間修＝橋本正博＝岡部雅人＝嘉門優＝南由介＝森永真綱 有斐閣 2021
『講義刑法学・各論〔第2版〕』/井田良 有斐閣 2018
『刑法Ⅱ各論』/亀井源太郎＝小池信太郎＝佐藤拓磨＝薮中悠＝和田俊憲 日本評論社 2020
『刑法判例百選Ⅱ各論〔第8版〕』/佐伯仁志＝橋爪隆〔編〕 有斐閣 2020
『判例プラクティス刑法Ⅱ各論』/成瀬幸典＝安田拓人＝島田聡一郎〔編〕 信山社 2012

受講上の要望、または受講上の前提条件

●六法を毎回必ず持参してください（小型のもので構いません）。
●テキスト（教科書）・参考文献の購入・持参は必須ではありません（スライド資料を投影・配布する予定です）。
●開講前に予習したい方には、上記・井田『入門刑法学・各論〔第2版〕』、または、佐久間ほか『刑法の時間』の各論パートを一読することをおすすめします。