慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
国語科教育法特殊Ⅱ
担当教員名
那波 克哉
科目設置 教職科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 教職 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード 82210
開講期間 I期 8/8~8/13 曜日・時間等 1~2限 9:00~12:45

授業科目の内容

〔授業の概要〕
 新しい学習指導要領にも当然取り入れられる深い学び・主体的・対話的な学びを実践していくにあたり、「デザイン思考」を意識した授業作りを考えたいと思います。具体的には作品内容の「どこに到達すべきか」をまず考え、そこに向けて「学習者中心」で「対話を重視」して「問題(テスト)を作成」し、「解答について吟味」し合うことになります。この作業が学習者本人も予期していない潜在的なものを発見することにつながります。それは複数人が集まる学校という場でしか体験できない学び合いの重要な部分であると考えます。「その小説を」教えるのではなく「その小説で」何が分かり、将来に活かせる力としてどんな学習活動が行われれば効果的か、学習者をもう一度中心に据えて学習者の内部から起こる疑問や意欲を中心に据えた授業作りを検討したいと思います。
 講義序盤は上記を意識した実践の紹介とICT活用方法の体験の時間とし、その後、用意した小説を元にデザイン思考的アプローチを取り入れた授業のイメージを踏まえた上で試験問題を作り、履修者同士で解きあった結果を共有し、その振り返りをしたいと思います。様々な学び合いの技法も取り入れつつ現場の雰囲気をご紹介しながら進めたいと思います。最終的には任意の小説についてのテストを改めて吟味し、レポートととして提出してほしいと思います。履修人数によっては内容が進め方に若干の違いが出る可能性があります。担当者は現職の中学校教諭であり、非常勤講師としては高等学校でも授業を担当した経験がありますが、主に中学生の反応を想定したアドバイスが中心となります。
*オンライン授業に向けてGoogle MeetもしくはZoomなどで質疑を交えながら進める可能性があります。一方的な授業配信ではなく、双方向のやりとりが必要になりますが、基本的には音声+テキスト入力ベースで進めていくつもりです。


〔授業の到達目標及びテーマ〕
 学習指導要領を意識しながら学び合いを取り入れた授業作りができる。
 試験問題作成とその検討を通して、改善の視点を身に付けている。

第1回講義内容
学習指導要領とICTの活用について

第2回講義内容
対話的・主体的な学びとデザイン思考について

第3回講義内容
Google Workspace他の活用実践

第4回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(記述問題の作成)

第5回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(記述問題の解答)

第6回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(記述問題の検討)

第7回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(選択肢問題の作成)

第8回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(選択肢問題の解答)

第9回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(選択肢問題の検討)

第10回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(その他の問題について)

第11回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(総合問題とまとめ)

第12回講義内容
デザイン思考的アプローチに関わる実践体験(総合問題とまとめ2)

その他の学習内容
  ・任意のGmailアカウントで授業のGoogle Classroomに参加してもらいます。ICT機器活用についてはGoogle WorkspaceのGoogleドキュメント、スプレッドシート、フォーム、Meet等についても触れます。どのようなものか事前に把握しておいてください。事前にGmailのアカウントが用意できない場合は初回授業で案内します。

成績評価方法

授業内小テスト10%、テスト問題作成課題40%、授業内コメント30%、テスト問題完成レポート20%で評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

Google Siteに適宜アップロードする。またGoogle Classroom内にも必要に応じてPDF資料を適宜掲載する。

参考文献

・平成29・30年改訂学習指導要領 ※文部科学省のホームページよりダウンロードできる
・「文部科学省検定済教科書中学校国語または高等学校国語」各出版社
・堀裕嗣『教室ファシリテーション10のアイテム100のステップ』(2012.3 学事出版)
・堀裕嗣『国語科授業づくり10の原理100の言語技術』(2016.3 明治図書出版)
・町田守弘『実践国語科教育法──「楽しく、力のつく」授業の創造』(2019.4 学文社)
・中原國明・大熊徹編『国語科授業用語の手引き 第二版』(2009.1 教育出版)
・野中潤『学びの質を高める! ICTで変える国語授業 ―基礎スキル&活用ガイドブック―』(2019.2 明治図書出版)
・野中潤『学びの質を高める! ICTで変える国語授業2 ―応用スキル&実践事例集―』( 2021.1 明治図書出版)
・石丸憲一、正木友則『Chromebookでつくる小学校国語の授業』(2021.10 明治図書出版)
・前多昌顕『先生のためのICTワークハック 業務の生産性向上から授業・学級づくりまで』(2021.11 明治図書出版)

受講上の要望、または受講上の前提条件

参考文献に目を通し、学び合いの方法については内容を把握しておくことが望ましい。ICTの導入についても前向きに検討したい。
オンライン学習に向けて任意のGmailアカウントを利用するので事前にアカウントを作成しておく必要がある。(***@gmail.comのアドレスがあれば良い。***@keio.jpのアドレスがあればそれでも構わない。)
履修者同士アドレスが伝わる、既存のものでも、この授業用に新しく取得しても構わない。
受講にあたってはPCの持参が望ましいが、難しい場合は代用として、スマートフォンやタブレットの使用も可とする。

講師の実務経験※実務家としての経験があり、その知見が授業に反映されている場合に、「あり」と表示されます

あり