慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
身体知―創造的コミュニケーションと言語―
担当教員名
横山 千晶/若澤 佑典
科目設置 総合教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 3分野科目/人文科学分野 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード 12219
開講期間 II期 8/15~8/20 曜日・時間等 13:30~(詳細は「授業科目の内容」を確認してください)

授業科目の内容

本講座は、参加型・体験型の授業を通して、知力と身体感覚を相互的に磨き、言語力と非言語的コミュニケーション力の双方を育む、新しいタイプの授業です。通学生と通信教育過程の学生がともに学ぶこと、そして二人の年齢と専門の異なる教員(文学研究と思想論) が担当することも大きな特徴です。今年は「さかのぼる」というテーマに着目して、作品と他者とのコミュニケーションから得た着想を、自らの創作につなげ、さまざまな表現媒体を使ったグループ創作を行います。最終的な作品は公開の形で発表します。
最近は声に出して読むこと自体が少なくなってきましたが、このクラスではまず朗読を通して自らの声、そして自分の身体表現を発見し、続いて「聞く」ことを経て、さまざまなメディアや発表形態を使った創作へとつなげていきます。クラスでは以下のプロセスを踏んでいきます。

1.自分の言葉と解釈を見つける
テーマに基づいた作品を読みます。グループワークを通して議論することで、異なる意見に出会います。

2.声に出す
続いて朗読することで、自らの声をみつける作業を行います。うまく読む必要はありません。むしろ、自分らしい「声」を見出してください。どの文章を読んでいるときに一番声が出やすいか、どの文章を読むことが好きか、読むことで解釈は変わってくるか。そして同じ文章でも他人が読むとどう解釈できるのか、を意識してみます。

3.さまざまな「身体感覚」と「表現法」を使ってみる
声の次は自分の体と表現法に注目します。違う場所で朗読すると言葉がどう異なって解釈できるか。言葉を絵にしてみるとどうか、体を使って表現してみるとどうか。パロディにしてみるとどうか。さまざまな表現の可能性を身体を通じて模索してみます。

4.聞く、そして創作する
その次は「聞く」作業に入ります。他者の話を聞くことから、その話の新たな解釈へとつなげ、そこからグループで創作活動を行います。1~3で踏んできたプロセスを活かしてください。

5.発表する
最終作品は創作発表会として一般に公開します。発表のあとで聴衆との意見交換を行います。発表の形態については授業の中で皆で話し合っていきます。

本授業は、参加・体験型授業で最大限の効果を挙げるために、夏休みに集中講座として実施します。1日に2コマ分の授業(90分×2)を4日行った後、3コマ分の授業(90分×3)を2日行い、最終日の3コマ中、最後の2コマを成果発表会にあてます。
授業は8月15日(月)~20日(土)の6日間を予定しています。開始時間は13時30分とし、3限(13時30分~15時)、4限(15時15分~16時45分)を用い、それに加えて、19日と20日は5限(17時~18時30分)も用います。

第1回講義内容
身体ワークショップ1

第2回講義内容
作品1を読む

第3回講義内容
作品1の朗読とディスカッション

第4回講義内容
身体ワークショップ2

第5回講義内容
作品2を読む

第6回講義内容
他者の朗読を聞いて、話し合う

第7回講義内容
表現ワークショップ 1

第8回講義内容
他者の話を聞く

第9回講義内容
表現ワークショップ 2

第10回講義内容
他者の話を基に創作する

第11回講義内容
創作発表会の準備をする

第12回講義内容
創作発表会の準備をする

第13回講義内容
プレゼンテーション

第14回講義内容
プレゼンテーション

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・最後の成果発表会に向けての創作とプレゼンテーション

成績評価方法

平常点(授業への積極的な参加、課題):50%
最終成果発表会:50%

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

随時紹介します。

受講上の要望、または受講上の前提条件

授業は対面で行います。演劇などの身体表現の経験のあるなしや朗読の得意・不得意はまったく問いません。むしろ、人前で何かを表現したことのない人、そのような勇気が今までなかった人を歓迎します。授業では日本語を使って作品を読みます。
グループ・ワークが主体の授業ですので、無断欠席と遅刻は厳禁です。

分類:
総合教育科目/3分野科目(人文科学分野)となります。

募集人数:
募集人数は通信教育課程生10名(受講者総数は20名で通学課程生10名との合同授業となります)。

ガイダンス:
履修希望者は必ず教養研究センターが配信するオンデマンドガイダンスを視聴してください。
 配信期間:2022年5月12日(木)~ 6月1日(水)
【2022年度教養研究センター設置科目ガイダンス(オンデマンド配信・要keio.jp認証)】
 https://keio.box.com/s/0jggqmam05momkz3oej5w001q6ko7oz5
※ガイダンスは通学課程生向けに作成されています。通信教育課程生の履修方法は、ガイダンス中の案内と異なりますので、別途『塾生ガイド2022』内「6章 面接授業(スクーリング)による学習」の「履修申告するうえで注意の必要な科目」にて「身体知」についての記載を必ず確認してください。

履修者の選抜について:
応募者の申込理由などで審査し、教養研究センターが10名選抜します。受講を許可された学生には6月中に通知します。

質問・相談:
授業の内容については横山千晶(chacky@keio.jp)までメイルでどうぞ。