慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
マス・コミュニケーション論
担当教員名
山口 仁
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 夜間スクーリング
科目種別・類 第1類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 法学部専門教育科目:マス・コミュニケーション論
設置年度 2022 授業コード 72226
開講期間 10月4日(火)~12月27日(火) 曜日・時間等 火曜日、18:20~20:05

授業科目の内容

 社会は人と人とのつながりで成り立っています。しかし大きな集団ではそれを構成する人々も多様な利害・関心を持っていて、しばしば対立・紛争が生じます。そうした紛争を「解決」し「秩序」を形成することを“政治”と言い、ルール(例えば法律)をつくってそれに基づいて活動することも政治の一つの役割です。
 さて、こうした政治の過程において影響力を持っている主体は何でしょうか。もちろん法制度で規定されている国会、内閣、裁判所は代表的な政治主体です。しかし制度的に規定されていなくても、そうした過程で実質的に影響力を持っている存在があります。その一つと考えらえているのが(マス・)メディア、そして(メディア・コミュニケーションの一種の)マス・コミュニケーションです。法学部で「マス・コミュニケーション論」を学ぶ理由がここにあると思います。
 この授業では、マス・コミュニケーションに関する様々な概念や理論の理解を深めることを目的としています。学期前半はコミュニケーションや政治社会に関する基本的な考え方を、後半はマス・コミュニケーションに関する理論や研究アプローチに関する解説を行っていきます。そのうえで、政治コミュニケーションやジャーナリズムについても解説していきたいと思います。
※新型コロナウイルスの感染状況により授業形態が変わる場合があります。

第1回講義内容
コミュニケーションの基本概念①:コミュニケーションがつくる「つながり(社会関係)」

第2回講義内容
コミュニケーションの基本概念②:コミュニケーション研究が想定するもの

第3回講義内容
コミュニケーションの基本概念③:イメージ・現実を社会的に構築するメディア

第4回講義内容
コミュニケーションを規定するもの(社会関係・情報装置、そして文化・社会構造)

第5回講義内容
社会の近代化とマス・コミュニケーションの発達

第6回講義内容
マス・コミュニケーションの効果・影響モデルの変遷①:弾丸効果モデル~限定効果モデル

第7回講義内容
マス・コミュニケーションの効果・影響モデルの変遷②:強力効果モデル

第8回講義内容
マス・コミュニケーションの効果・影響モデルの変遷③:強力影響・機能モデル

第9回講義内容
政治とコミュニケーション:多次元的権力観に基づくコミュニケーションのとらえ方

第10回講義内容
マス・コミュニケーション論とジャーナリズム論①:規範論としてのジャーナリズム論

第11回講義内容
マス・コミュニケーション論とジャーナリズム論②:社会過程論としてのジャーナリズム論

第12回講義内容
総括と解説

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

対面授業を実施した場合には、期末試験で評価する。新型コロナウイルス感染状況によりオンライン形態になった場合には期末レポートで評価する。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

『コミュニケーション論』/大石裕 通信テキスト 2022年、法学部Ⅲ年度②配本

参考文献

『メディアがつくる現実、メディアをめぐる現実』/山口仁 勁草書房 2018

受講上の要望、または受講上の前提条件

指定した「テキスト(教科書)」の予習・復習を欠かさないでください。