慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
心理学(専門)
担当教員名
川畑 秀明
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 文学部専門教育科目:心理学(専門)
設置年度 2022 授業コード 52222
開講期間 III期 8/22~8/27 曜日・時間等 1~2限 9:00~12:45

授業科目の内容

アートとは何だろうか?美とは何だろうか?これらの問題は古代から議論・表現され続け、いまだに答えがない問題です。人は、なぜ、何に、どのように美を感じ、アートに惹かれるのでしょうか。そして、アートにはどのような表現や仕掛けがなされているのでしょうか。本授業では、心理学や脳神経科学等を方法論として、美やアートと心の関係について考えていきます。美と感性、アートに関する様々な研究知見を具体的に紹介し、かつ哲学や美学における諸問題についても対応付けて紹介つつ、アートや美の感じ方、鑑賞の仕方に関する心と脳の働きについて論じます。美の対象は必ずしもアート/芸術に限定されるものではありません。一部、顔や身体に感じる魅力に関する側面や,デザインに関する問題についても議論を深めていきたいと考えています。音楽に関する知見の紹介も一部しますが、今回の授業は残念ながら主に視覚芸術を中心に考えて行きます。

第1回講義内容
アートとは何か? 美とは何か? について考える①:作品から見えてくる心の不思議

第2回講義内容
アートとは何か? 美とは何か? について考える②:心理学の歴史から見えてくるアートの行動と美的感性

第3回講義内容
アート作品から見えてくる知覚の構造:アートや美には法則があり得るのか

第4回講義内容
アートを楽しむ脳、美を感じる脳:脳の計測からわかること

第5回講義内容
アートの進化をたどる:アートや美は人だけのものか?

第6回講義内容
創造性の源泉:脳の発達と障害、精神疾患とアートの関係

第7回講義内容
アートへの熟達:練習すれば上手くなるのか?

第8回講義内容
魅力・対人印象について考える

第9回講義内容
美意識の構造:美的センスとはどういうことか?

第10回講義内容
音楽に関する心と脳の働きについて考える

第11回講義内容
アートの効用について考える:アートは薬になり得るのか?

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

試験を行います。ノートや教科書、授業資料の印刷については持込み可とします。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

脳は美をどう感じるか —アートの脳科学/川畑秀明 ちくま新書 2012

参考文献

美感 —感と知の統合/三浦佳世・川畑秀明・横澤一彦 勁草書房 2018

授業中に紹介します

受講上の要望、または受講上の前提条件

あくまでもこの授業は「心理学」の授業です。アートや美への理解を通して「心の働き」を理解することを目的としています。そのため、アートそのものの理解を動機として受講されても、評価は、アートの鑑賞や美の感じ方を通して見えてくる「心の側面」に関するものについてであることを十分に理解の上、受講下さい。