慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
東洋史概説
担当教員名
長谷部 史彦/太田 啓子
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 文学部専門教育科目:東洋史概説
設置年度 2022 授業コード 52232
開講期間 I期 8/8~8/13 曜日・時間等 3~4限 13:45~17:30

授業科目の内容

【都市でたどるアラブ中近世史】
 イスラームはかつて「砂漠の宗教」とみなされていました。しかしながら、西暦7世紀にアラビア半島の交易都市メッカで生誕したこの一神教は、当初から都市的な性格を色濃く帯び、歴史のなかで「都市性」を深めてきたとみるべきでしょう。また、イスラームの信仰・思想・学術・法は、都市を主たる舞台として育まれ、展開されました。このため、イスラーム文明は「都市の文明」ともいわれます。
 この東洋史概説の講義では「都市」に的を絞り、アラブ地域(アラビア語圏)の中世(10~15世紀)と近世(16~18世紀)の歴史について多面的に講じます。アラブ地域の諸都市(アラブ都市)の形態的構造・経済的機能・社会・政治は実に多様であり、それぞれに個性的な歴史を刻んできたといえます。前提となる概論的な説明から始め、続いてアラブ地域の主要な都市を順次取り上げ、その歴史的な特徴を詳しく検討してゆきます。わかりやすい講義を心がけたいと思っています。受講者の皆さんにとって、アラブの中世史・近世史に関する深い理解を得る機会となれば幸いです。

第1回講義内容
イスラームとイスラーム世界史の捉え方

第2回講義内容
中近世史アラブ史概論

第3回講義内容
カイロ

第4回講義内容
メッカ(その1)

第5回講義内容
メッカ(その2)

第6回講義内容
ジェッダと紅海の諸都市

第7回講義内容
メディナ

第8回講義内容
アデンとマスカット

第9回講義内容
エルサレムとヘブロン

第10回講義内容
アレッポとチュニス

第11回講義内容
総括

第12回講義内容
スライド上映と解説

その他の学習内容
  ・小テスト

成績評価方法

出席と小テストによる評価

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

テキストは特に指定しません。

参考文献

新版世界各国史8 西アジア史1 アラブ/佐藤次高編 山川出版社 2002
オスマン帝国治下のアラブ社会/長谷部史彦 山川出版社 2017

受講上の要望、または受講上の前提条件

教科書を指定しませんので、各回の講義を注意深く聴いてください。