科目名 | |||
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哲学 | |||
担当教員名 | |||
佐藤 広大/鴻 浩介 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2023 | 授業コード | 12301 |
感情は疑いようもなく人にとって重要なものです。何の感情も伴わない人生は想像しただけで寒々しいものでしょうし、何にどのような感情をもつかによってその人の人間性は推し量れるでしょう。にもかかわらず、西洋哲学では長い間、感情は理性の邪魔をする悪者であるという見解が支配的でした。現在の私たちの感覚からいっても、「感情論でものを考える人」や「感情的にふるまう人」が忌み嫌われる傾向があるのは事実でしょう。では結局、私たちは感情にどのような位置づけを与えるべきなのでしょうか。とりわけ、私たちが責任をもった一人の人間としてふるまうことにとって感情はどれくらい重要なのでしょうか。本講義ではこういった問いについて、哲学的に考えていきたいと思います。
第1~4回(鴻担当分)では、感情一般に関する哲学的議論を概観し、感情とは何であるのか、どのように重要でありうるのかを考えます。第5~11回(佐藤担当分)では、道徳的責任の帰属に関わる重要な原理である「二重結果原理」と、とりわけ注目に値する感情の一種とみなせる「ケア」(何かを大切に思うこと)との関係を主題として、より専門的な考察を行います。
第1回講義内容
イントロダクション:感情の哲学
第2回講義内容
感情と価値の結びつき
第3回講義内容
意思決定への感情の関わり方
第4回講義内容
「感情的なふるまい」の是非
第5回講義内容
善悪とは何か
第6回講義内容
二重結果原理とは何か
第7回講義内容
二重結果原理の問題
第8回講義内容
既存の解決策とケア解決策
第9回講義内容
ケアの倫理
第10回講義内容
ケアと幸福
第11回講義内容
愛とは何か
第12回講義内容
試験・総括
その他の学習内容
・課題・レポート
・小テスト
最終日の試験に加え、授業内で行う課題もしくは小テスト(内容は受講者数などに応じて調整)も加味して成績を決定します。
プリントを適宜配布する
感情の哲学入門講義/源河亨 慶應義塾大学出版会 2021
入門・倫理学/赤林朗・児玉聡 (編) 勁草書房 2018
幸福をめぐる哲学/成田和信 勁草書房 2021
哲学についての予備知識はまったく前提しません。上記の参考文献を事前に読むことはもちろん授業理解度を深めるはずですが、読んでいなくともまったく問題はありません。