科目名 | |||
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自然科学概論 | |||
担当教員名 | |||
有川 智己 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/自然科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | 日吉 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2023 | 授業コード | 12348 |
自然科学「概論」というと、科学哲学や物理学を中心にした授業であることが多いですが、慶應義塾大学の通信教育部では、毎年担当者に応じ様々なテーマに絞って授業が展開されています。今回は、進化多様性生物学やそれにまつわる地球環境の問題を扱いながら、自然科学をなるべく概観してみたいと思います。
地球が誕生してから46億年、生命が誕生してから38億年が経過しているといわれています。そして現在、地球上には800万種を超える生物がいるといわれていますが、その多様性も、長い時間をかけて「進化」により作られてきたものです。言うまでもなく、私たちヒトも、その多様な生き物の一員であり、その多様な生物のつながりの中で暮らす、その歴史に連なる存在です。この講義では、まず、原生生物や植物などに重点をおいて、生物の多様性の調べ方やその意義、細胞のつくりや光合成の仕組み、生物進化の仕組みなど、自然科学の様々な基本原理をベースとした生物学の基礎的な内容を学びます。さらに、生物多様性や地球環境について、どのような問題が起きているのか、生物多様性や生態学、進化にまつわるトピックに注目し、自然科学と社会の接点の一例を見ていこうともいます。私たちヒトという存在は、自然界、生物の世界全体のなかではどのように位置づけられるのか、客観的・科学的な見方とはどういうものかを、考えていただきたいと思います。
過去の鳥取県立博物館の自然担当学芸員としての実務経験をもとに、映像などの様々な資料を用いて分かりやすく講義します。
第1回講義内容
日吉の森の自然:身近な自然とは。里山とは。雑木林とは。日本の自然の特徴は。現状はどのようになっているか。
第2回講義内容
細胞の構造とその成り立ち:原核細胞と真核細胞の違い、真核細胞の成り立ち(細胞内小器官と細胞内共生)。
第3回講義内容
微生物の進化と多様性:地球上の生物多様性全体を概観する。原生生物とは何か。
第4回講義内容
植物と藻類の進化と多様性:植物とはどういう生きものか。藻類とはどういう生きものか。光合成の機構と進化。
第5回講義内容
生物多様性と新種の発見:新種とはどうやって発見・発表されるのか。新種発見はどのように役立つか。
第6回講義内容
コケ植物の進化と多様性:コケ植物とは何か、どのような生きものか。
第7回講義内容
種の起源:種とは何か。自然淘汰とは何か。
第8回講義内容
大量絶滅事変と生物の進化:地質年代とはどういうものか。5大大量絶滅とはどんな事件か。
第9回講義内容
地球環境危機・第6の大量絶滅:現在何が起きているのか。
第10回講義内容
絶滅危惧種とその保護:レッドデータブックはどのように作られ、どのように利用されるのか。
第11回講義内容
進化論と社会:優生学、創造論など、進化論にまつわる社会的な問題。
第12回講義内容
総括・試験
その他の学習内容
・講義に関連した講演会やイベント、博物館の展示などを適宜紹介するので、興味があれば参加・見学してみてください。
基本的には最終日の試験によるが、インターネット上のフォーム(パソコンやスマホから回答)で受け付ける毎回のコメント・質問の提出状況も加味する。
プリントを適宜配布する
質問・コメントはインターネット上のフォーム(パソコンやスマホから回答)で受け付ける予定です。授業内容を復習し(各回30分程度)、その上で質問・コメントを回答するようにしてください。(ネットからの回答の難しい方に限り、紙でも受け付けます。)
質問やコメントに対するフィードバックは授業時間内に行います。高校における理科の基礎知識は前提とはしません。分からないところは積極的に質問をしてください。
あり