科目名 | |||
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刑法 | |||
担当教員名 | |||
山内 竜太 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | 秋期週末スクーリング |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2023 | 授業コード | 72307 |
本講義では、現役の弁護士が、実務経験をもとに、刑法総論で論じられているすべての犯罪に共通して妥当する理論が具体的な事案の解決においてどのように活用されているかについて講義する予定です。もっとも、講義回数が限られていることから、単独犯に関する刑法総論上の基本的な論点を取り扱うことにします。具体的な講義の進行としては、以下のとおりです。まず、刑法の役割や刑法学を学ぶ意義を説明し(第1回)、犯罪論の全体像を示すことで(第2回)、皆さんに本講義で取り上げるトピックの全体像を掴んでもらったうえで、構成要件該当性・違法性阻却事由・責任阻却事由といった各トピックの基本的事項を見ていくことになります。すなわち、単独の作為による故意の既遂犯という原則的な犯罪類型を素材に犯罪の成立要件(構成要件該当性・違法性・有責性)に関する基本事項を学んでいきます(第3回~第6回)。後半部分では、前半部分で学んだ基本的な事項の理解を前提として応用的なトピックを取り上げていきます。具体的には、未遂犯(第7回)・不作為犯(第8回)・過失犯(第9回)といった犯罪類型を取り上げ、既遂犯・作為犯・故意犯とは違ったそれらの特殊性を見ていきます。また、正当防衛に関しては論点も多いことから、違法性阻却事由の全体像で学んだ正当防衛の基本的な事項の理解を前提に応用的な問題について皆さんと考えていきたいと思います(第10回)。最後に、事例問題演習を行い、実務的な観点からこれまで学んできた知識をどのように活用して事例を解決するかについて論じ(第11回)、本講義の試験・総括を行います(第12回)。
第1回講義内容
刑法の役割と刑法学を学ぶ意義
第2回講義内容
犯罪論の全体像
第3回講義内容
客観的構成要件要素
第4回講義内容
構成要件的故意
第5回講義内容
違法性阻却事由の全体像
第6回講義内容
責任阻却事由の全体像
第7回講義内容
未遂犯
第8回講義内容
不作為犯
第9回講義内容
過失犯
第10回講義内容
正当防衛をめぐる諸問題
第11回講義内容
事例問題演習
第12回講義内容
試験・総括
その他の学習内容
・各回の講義では、必要に応じて基本的な理解を確認するために正誤問題を出題する予定です。
最終日の試験の成績で評価します。
刑法Ⅰ総論/亀井源太郎ほか 日本評論社 2020
刑法総論判例50!/十河太朗ほか 有斐閣 2016
プリントを適宜配布する
本講義で用いるPowerPointのスライドを配布する予定でいます。詳細については、初回講義で説明します。
講義刑法学・総論2版/井田良 有斐閣 2018
基本刑法Ⅰ総論3版/大塚裕史ほか 日本評論社 2019
刑法に興味がある方の履修を歓迎します。なお、本講義は、基本的事項から応用的事項へという流れを意識した構成をとることで、皆さんが、徐々に刑法総論の理解を深め、具体的な事案の解決に刑法総論の知識を活かすことができるようになることを目標としています。もっとも、裏を返せば、基本的事項を扱う前半部分(第1回~第6回)をしっかり理解していませんと、応用的事項を扱う後半部分(第7回~第10回)を理解するのが難しくなりますので、各回の予復習をしっかりと行うことを推奨いたします。具体的には、講義で用いるスライドを配布しますので、配布スライドを活用してテキストを読んで理解を深める努力をしてほしいと思います。また、本講義では、講義内容に関する正誤問題を出題し、皆さんが講義内容を理解しているかを確認する予定でいます。その際、スマートフォンまたはパソコンで回答していただくことになりますので、それらをご持参いただくことを推奨いたします。
あり