科目名 | |||
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政治理論 | |||
担当教員名 | |||
河野 武司 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | 秋期週末スクーリング |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 経済学部でも開講する。 |
設置年度 | 2023 | 授業コード | 72318 |
本講義の目的は、現代政治学が政治現象を理解するために、理論という道具をどのように活用してきたかを概観し、問題設定と分析を行うプロセスを理解することにあります。講義の前半では、規範や理想について対象とする規範的政治理論との対比を通して、現実を分析の対象とする科学としての政治学における理論(実証的政治理論)のあり方を解説します。後半では市民の政治参加や代議制民主主義の作動に関する主要な概念と理論について、最近の研究や具体的な事例を踏まえながら考察します。具体的には、以下のような計画に沿って進ます。
なお、以下の講義計画は進行状況によって、順序や内容について変更する場合があります。
また、本講義は対面の授業を予定していますが、コロナウィルスの感染状況など、場合によってはZoomを用いたリアルタイムのオンライン授業とする場合もあります。
第1回講義内容
イントロダクション
第2回講義内容
政治とは何か、政治学とはどのような学問か
・政治の起源、語源、定義
・伝統的政治学から現代政治学へ転換
第3回講義内容
科学としての政治学と理論の役割
・経験科学としての政治学の追求
・規範的政治理論(理想)と実証的政治理論(現実)の相互補完性
第4回講義内容
科学的な研究の手順と信頼性・妥当性 ①
・リサーチプロセスの循環的な8段階
①問題意識、②既存研究の確認、③仮説構築、④仮説中の概念の操作化、⑤研究のデザイン、⑥データの収集、⑦分析、⑧理論化
第5回講義内容
科学的な研究の手順と信頼性・妥当性 ②
・リサーチプロセスの循環的な8段階
①問題意識、②既存研究の確認、③仮説構築、④仮説中の概念の操作化、⑤研究のデザイン、⑥データの収集、⑦分析、⑧理論化
第6回講義内容
政治理論と合理的選択アプローチ
・現代の政治学において一つのパラダイムとなった合理的選択アプローチとは何か→利己心と最大化行動、利他主義
第7回講義内容
市民の投票参加をどのように説明するか
・期待効用モデル(投票参加の計算式)とミニマックスリグレットモデル
第8回講義内容
市民の投票方向の決定をどのように説明するのか①
・コロンビア学派(社会学的アプローチ)
第9回講義内容
市民の投票方向の決定をどのように説明するのか②
・ミシガン学派(心理学的アプローチ)と合理的選択
第10回講義内容
代議制民主主義は失敗するという神話の検討①
・A.ダウンズの命題、「経済学的にいえば、民主主義国家における政府の政策にはほとんどつねに、反消費者、生産者支持の偏向がみられる」の検討
第11回講義内容
代議制民主主義は失敗するという神話の理論的検討②
・D.ウィットマンによるダウンズに対する批判
→政治過程に参加する各アクターが合理的だからこそ機能する
・A.カプランによるウィットマンに対する批判
→市民は合理的な非合理性を有するから代議制民主主義は失敗する
第12回講義内容
総括
その他の学習内容
・課題・レポート
期末の筆記試験(80%)と授業期間中に1回程度提出していただく予定のレポート(10%)、ならびに授業中の私の問いかけに対する回答や学生諸君からの質問などの普段の授業に対する貢献など(10%)を総合して評価します。
プリントを適宜配布する
授業に関連する資料を、必要に応じて配布することがあります。
授業中に適宜紹介します。
各回の講義に合わせて提供された授業の資料のみならず、私の講義内容を要領よくまとめたノートを作成し、それを自分自身の教科書として下さい。