慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
西洋史概説
担当教員名
山道 佳子
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 春期メディア授業
科目種別・類 第2類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 法学部「西洋史概説」として開講
設置年度 2024 授業コード M2425

授業科目の概要

18 世紀後半の啓蒙主義改革から20世紀初めの帝国主義までのヨーロッパ近現代史を概観します。いくつかのテーマを設定し、それぞれのテーマ毎にテーマの概観および近年の歴史研究で注目されている視点や研究方法の紹介、必読文献の解説、担当者の専門フィールドからの実例や史料の紹介という内容で授業を展開していく予定です。
全体を通して、ヨーロッパにとって近代とは何か、近代化の矛盾を受けて歴史はどのように展開したかを考え、理解することを目標とします。

授業科目の内容

第1回講義内容
イントロダクション:ヨーロッパ近代について再考することの意味、大学での歴史の学び方についてのガイダンス 啓蒙とは何か?(1)

第2回講義内容
啓蒙とは何か?(2)啓蒙の世紀?啓蒙の担い手たち

第3回講義内容
啓蒙とは何か?(3)フーコー『監獄の誕生』と近代ヨーロッパ

第4回講義内容
歴史研究と史料(1)人口動態史から見た近代

第5回講義内容
歴史研究と史料(2)読書の歴史とフランス革命

第6回講義内容
歴史研究と史料⑶フランス革命と教会

第7回講義内容
フランス革命再考:フランス革命の解釈をめぐって

第8回講義内容
ヨーロッパの世紀とその矛盾(1)長い19世紀

第9回講義内容
ヨーロッパの世紀とその矛盾(2) 産業革命を考え直す

第10回講義内容
都市空間の改造と社会思想⑴ パリの事例

第11回講義内容
都市空間の改造と社会思想⑵ バルセローナの事例

第12回講義内容
ナショナリズムと帝国主義(1)ナショナリティの原則

第13回講義内容
ナショナリズムと帝国主義(2)イタリアの事例

第14回講義内容
ナショナリズムと帝国主義(3)公定ナショナリズムと伝統の創造

第15回講義内容
ナショナリズムと帝国主義⑷帝国主義をめぐって、総括

成績評価方法

平常点(小レポートおよび小テスト):60点
科目試験:40点

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

オンライン授業システム内で配布する
メディア授業の映像と合わせて、ハンドアウト(配信画面のスライド・参考文献の抜粋)をファイルで配布します。

参考文献

参考文献は授業の中で紹介しますが、事前に勉強したいという履修者のために、比較的入手しやすい文献を以下にいくつかあげておきます。
ロイ・ポーター『(ヨーロッパ史入門)啓蒙主義』(岩波書店、2004年)
ジョン・ロバートソン『啓蒙とはなにか 忘却された〈光〉の哲学』(白水社、2019年)
ロバート・ダーントン『猫の大虐殺』(岩波書店、1986 年/抜粋新版、岩波現代文庫、2007 年)
ピエール・グベール(遅塚忠躬・藤田苑子訳)『歴史人口学序説 17・18世紀ボーヴェ地方の人口動態構造』(岩波書店、1992年)
T.C.W.ブラニング(天野智恵子訳)『(ヨーロッパ史入門)フランス革命』(岩波書店、2005年)
柴田三千雄『フランス革命』(岩波現代文庫、2007年)
福井憲彦『ヨーロッパ近代の社会史』(岩波書店、2005年)
アントニー・D・スミス『ナショナリズムとは何か』(ちくま学芸文庫、2018年)
塩川伸明『民族とネイション ナショナリズムという難問』(岩波新書、2009年)
藤澤房俊『イタリア誕生の物語』(講談社選書メチエ、2012年)
木畑洋一『イギリス帝国と帝国主義』(有志社、2008年)

受講上の要望、または受講上の前提条件

特に他の科目の履修を前提とはしていません。

課題(レポート・小テスト)

第6回、第11回の講義配信時に、それまでの講義内容に関する小レポートを出題する予定です。
第15回の講義配信時に小テストを出題する予定です。

講義収録時期

2023年度収録