慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
化学
科目設置 総合教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 3分野科目/自然科学分野 単位 4
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード T0AC000203

講義要綱

化学という学問は、さまざまな物質の成分や構造などを調べ、反応により別な物へ転換する方法を扱っています。例えば、空気の78%は窒素ですが、これを高圧下で水素と反応させ、アンモニアを合成する方法を1907年にドイツのフリッツ・ハーバーが開発しました(1918年度ノーベル化学賞受賞)。窒素分は植物の肥料として欠かせない成分であり、この発明のおかげで、世界の人口が増加しても食糧難にならずに済んでいるといえるでしょう。その一方で、人口爆発を起こしたり、「化学物質」が環境を破壊する事態も発生しています。これらの問題にどう対処すべきか考える上で、化学結合や反応性を理解しておく必要があります。一般に化合物の構造は、元素記号と結合の線で表します。この講義の到達ゴールは、化学の基本的な考え方(概念)および構造式の意味がわかるようになることです。このようなサイエンスの基礎を身に着けることによって、事実に基づいた論理的な議論を社会の中でできるようになるでしょう。

テキストの読み方

第1章は、高校あるいはそれ以前に習う化学の基礎をまとめています。化学に自信がある人は、第1章の演習問題から取り組んでください。それから各章を読み、演習問題にも取り組んでみてください。もし問題の意味や答えが分からないときは、テキストの関連部分を読み返してください。自分なりに精いっぱい問題を解いてから、巻末の解答例をみて答を確認してください。「化学の学び方」も参考にしてください。
なお、補助的にウエブサイトを参考にしても構いませんが、出所の明らかでないものや内容に誤りも散見されますので、記載内容の真偽をよく吟味し、あくまでも参考としてください。特に、ウイルス、ワクチン、遺伝子などに言及しているウエブサイトには、明らかに科学的ではないサイトが散見されますので注意してください。

履修上の注意

レポートに取り組む場合には、1回分ずつ提出することをお勧めします。なぜならば、3回分すべてを同時に提出して、同じ誤りをしてしまうことがあるからです。まず、第1回目のレポートから着実に提出をしてください。

成績評価方法

①レポートの評価、②実験スクーリングの評価、③科目試験の評価による総合評価が最終評価になります。

参考文献

特に指定しません。

レポート作成上の注意

回答にあたり、文字数への強い制約はありません(2000字に達しなくても、あるいはそれを少し超えても構いません)。説明問題への回答は、できるだけていねいに書いてください。教科書や参考書やウエブサイトなどの丸写しはやめてください。必要に応じて、参考文献を記載してください。計算問題に対しては、結果だけでなくそれを導出するための考え方や、途中の計算式も書いてください。特に、答えを導くにあたっての論理を明確に述べることが、非常に重要です。

元素記号を書く場合、大文字と小文字は区別し、添え字の位置にも注意してください。たとえば、水やメタンをh2o やCH4のように書いてはいけません。構造式を書く場合は、炭素の原子価が4(結合の手が4本)であることに注意してください。