科目名 | |||
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論理学(L) | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA003201 |
論理学の研究はアリストテレス以来長い歴史をもっています。私たちが何かを推理するときに不可欠の規則が論理規則と呼ばれ、それがないと考えることさえ覚束ない基本的な規則と考えられています。それを研究するのが論理学で、19世紀末のフレーゲの研究によって論理学はそれまでにない新たな発展をすることになります。数学的な思考と記号の使い方が論理学に取り入れられ、数学やコンピュータ科学と結びつきながら、様々な分野で応用され、基礎研究には欠かせない役割を演じています。
この講義では論理的な推論や真偽概念について基本的な事柄を学んだ人を対象に、それらを実際に使うことができるようにすることを目的にしています。それによって自分が論理的に考えることができるようになるだけでなく、他人の考えが正しいかどうかもしっかり判定できるようになれることを目指しています。
文学部の他のテキストと違って記号や数式、論理式がたくさん登場します。記号言語を使って日常言語の文や命題を論理式に書き直し、推論が正しいかどうか調べることが主要な内容ですから、それをしっかり肝に命じて読み進めてください。実際に問題を解く解き方が丁寧に説明されていますから、普通に読み進めれば、テキスト以外の参考文献を参照しなくても完全に理解できます。根気強く読めば、このテキスト一冊だけで論理的な推論の構成や吟味が自分で理解できるようになれます。その意味で、このテキストは論理的な推論についてのマニュアルだと考えてください。
論理学は紙とペンを用意して、じっさいに手を動かして、問題をときながら理解することが重要です。練習問題をできるだけ多く解いてみましょう。
論理学が生まれた経緯や歴史から哲学が強い関連をもった科目です。推論することが主要な研究方法である哲学では論理的な推論が大切な道具になっていますから、論理学の知識は哲学の問題を扱う上で役立つはずです。また、数学的な形式をもった内容ですから、数学基礎論、計算理論、コンピュータ言語等は論理学と密接に結びついています。さらに、言語学との関連も20世紀後半には強くなり、統語論、意味論等で重要な役割を果たしています。
科目試験による。
論理学のテキストはたくさんありますが、テキストの読み方で書いたように、このテキストはマニュアルですから、複数のマニュアルは必要ありません。他の論理学のテキストをまずは忘れてこのテキストだけに集中してみてください。どれも似た内容なら一冊だけ暗記するほどに読むのが一番です。
他の文献を参照する必要はありませんから、テキストの内容だけを十分に使ってレポートを作成してください。文献を検索し、巧みにそれを使うのではなく、テキストの内容を正しく理解し、それに基づいて問題を解くことに専念してください。