科目名 | |||
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日本美術史Ⅰ | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA003102 |
日本は中国および韓国から多大な影響を受けて自国の文化を形成しました。美術についても同様であり、これら大陸の美術状況を無視しては日本美術の歴史を語ることはできません。したがって、第一に中国や韓国のどのような影響を受けているのか、第二にそれらの美術受容の結果日本独自のものが形成されたのかどうか、という2つの視点が必要です。そして、もし日本独自のものがあるとすれば、それはどのようなものであり、またそのような特質は何によって育まれたのか、を考えることが課題となります。これらのことを観念的にではなく、自身の目で遺品を観察し、比較検討しながら具体的な証拠を挙げて論証することが要請されます。したがって、テキストや文献を読むのと同時に、自身で作品と出会い、作品を「読む」こと、つまり観ることが重要です。
作品を味わうことがなければ「日本美」は理解できません。テキスト(『日本美術史Ⅰ』)は縄文時代以降の日本美術を通史的に扱っていますが、どのように作品を味わうかという点に重点を置いているため、取り上げている作品に限りがあり、重要作品全てを網羅するものではありません。したがって、参考文献に挙げた図書等を利用し、できるだけ多くの作品を多角的に見る訓練を積んでください。
美術史学は読んで理解するだけではなく、自身の目で見て会得するものです。あるいは、自身で観察した上でなければ、どのような解説書を読んでも理解できないというべきでしょうか。したがって、履修者はできれば実作品を見学するか、少なくとも写真によって観る訓練を積むことが必要です。作品を見ず、概説を引き写しただけのレポートは評価しません。自身の観察したもので裏付けしつつ文献を読むように努めてください。
科目試験による。
1『日本美術館』小学館、1997年ほか美術史概説書類
2『原色図典日本美術史年表』集英社、1986年 ほか美術史年表類
3林温『日本美術がワカル本 「女性性」の文化』慶應義塾大学三田哲学会叢書、慶應義塾大学出版会、2017年
インターネットを利用する場合、引用するなら文責者が明示されているものに限ります。ある著書からの引用なら、原本を参照すること。大事なことは、だれの意見なのかを明示することで、参考書の内容を自身の考えのように引き写さないこと。「だれそれはこう述べているが、自分はこれこれの理由でこう考える」といった論調が好ましい。したがって、本文中に引用を行う場合は必ず註を付け、最後に参考文献を挙げること。また、レポートは感想文ではないということを忘れないように。