科目名 | |||
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教育学 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第1類 | 単位 | 3 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA003302 |
狭義の「教育」は、人間形成の過程への意図的な介入として定義づけることができます。したがって「教育学」とは、教育実践上の様々な問題や理論的諸問題を解決しようとして成立した「術」であり、その反省を行うための学問であると言えます。つまり教育学とは教育問題の科学なのです。こうした考え方、すなわち学問知の成立や構造を理論的かつ歴史的に考察することがこの科目の目標です。「教育」という概念はいついかなる状況下で成立したのか、またその意味は何であったのかを問う際、その説明の仕方には歴史上様々なものがあり、いくつかの類型に分類することができます。さらに私たちは現代的な問題関心から、これらの歴史的説明や理論の意義および限界を批判的に問い、新たな「教育」を構想していくことになります。
以上のような趣旨を十分に理解したうえで、現代の「教育」を概念的にも思想的にも強く規定する、近代教育理論の形成過程と理論構造の検討を行うことがこの科目の中心となります。「教育の世紀」と呼ばれるこの時代ほど、子どもや新たな教育への関心が増大し、質的な発展を見せた時期はありません。この時代に誕生した近代教育学は多くの新たな示唆と観点を生み出しましたが、そこには後の「近代教育批判」につながる様々な問題が含まれていました。よってこの講義の履修希望者には、テキストの記述を参考にしつつも、ロック、ルソー、ヘルバルト、デューイなどのテクストを自ら熟読吟味し、批判的に考察することを期待します。
テキストをただ読むのではなく、テキストで言及されている原典や参考書を参照しながら、テキストで書かれていることの意味を自分なりに解釈するようにしてください。テキストで学んだ内容や、参考文献から得られた事柄を自分なりに再構成し、ノートを作成するなどの学習を行ってください。
誰もが教育経験をもち、それが人格の重要な一部ともなっているため、自分の経験や考え方を当然視し、安易に投影してしまう傾向があります。教育学は教育をいったん括弧に入れ、哲学、歴史学、心理学などの学問的アプローチを利用しつつ「教育」とは何かを分析的に探究する学問です。テキストやテキストのなかで言及されている原典、参考文献を丁寧に読み解きながら、「自分語り」に終始しないレポートを作成してください。
「教育思想史」
科目試験による。
今井康雄編『教育思想史』有斐閣、2009年。
関川悦雄、北野秋男『教育思想のルーツをもとめて』啓明出版、2003年。
眞壁宏幹編『西洋教育思想史 第2版』慶應義塾大学出版会、2020年。
村井実『教育思想 上・下』東洋館出版会、1993年。
まず、レポート課題の問いと要求を正確に理解してください。次に、テキストを熟読し、要点を理解したうえでレポート課題に応じた学習活動(参考文献の調査や読み込みなど)を展開し、レポート課題の要求に十分に応えるレポートを作成してください。