科目名 | |||
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日本史特殊Ⅱ | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第2類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA007804 |
ポルトガル人が初めて日本に渡来してから江戸幕府による「鎖国」に至るまでの約一世紀間は、「キリシタン時代」と呼ばれる。この時代の対外関係をカトリック教会の布教事業を軸として捉えてみたい。
序章 キリシタン史料
第一章 大航海時代と日本
1 大航海時代の国家と教会
2 ザビエルのインド・東南アジア布教
3 ザビエルの日本布教
4 キリシタンと日本の政権
第二章 巡察師ヴァリニャーノと適応主義
1 ヴァリニャーノの布教政策
2 キリシタン時代の教会領長崎
3 秀吉のキリシタン対策
4 文禄の役とキリシタン宣教師
第三章 イエズス会の教育と布教
1 イエズス会の教育
2 日本人聖職者の養成問題
3 日本における良心問題
4 イエズス会の中国布教
第四章 禁教、迫害、殉教
1 江戸幕府の禁教政策
2 キリシタンの迫害と殉教
3 元和の大殉教
4 島原の乱と「鎖国」
5 近世日本と東アジア
終章 潜伏の時代へ
テキストは繰り返し読んで欲しい。課題に関係する部分のみに目を通すのではなく、テキスト全体を熟読することが必要である。テキストを読むにあたっては、キリシタン史の全体像を理解することと、いくつかの個別の問題に対する理解を深めることに留意してもらいたい。
日本史やキリスト教など関連諸分野への幅広い関心が求められる。
科目試験による。
アルーペ神父・井上郁二訳『聖フランシスコ・デ・ザビエル書翰抄』(2冊)岩波文庫、1949年
河野純徳訳『聖フランシスコ・ザビエル全書簡』平凡社、1985年
ヴァリニャーノ(松田毅一他訳)『日本巡察記』平凡社、1973年
松田毅一監訳『十六・七世紀イエズス会日本報告集』(全15冊)同朋舎、1987~98年
五野井隆史『日本キリスト教史』吉川弘文館、1990年
高瀬弘一郎『キリシタンの世紀─ザビエル渡日から「鎖国」まで─』岩波書店、1993年
浅見雅一『フランシスコ=ザビエル─東方布教に身をささげた宣教師─』山川出版社、2011年
合田昌史『大航海時代の群像ーエンリケ・ガマ・マゼランー』山川出版社、2021年
浅見雅一『キリシタン時代の良心問題ーインド・日本・中国の「倫理」の足跡ー』(慶應義塾大学出版会、2022年)
・レポート作成にあたっては、「史料」と「研究」を区別すること。
・参考文献は、テキスト巻末の目録を基にして、できるだけ広く探すこと。
・レポートの書き方は、通常の原稿用紙の使い方に準拠すること。
・レポートは、第三者が読んで理解できるかたちにすること。
・註は検証可能であることを示すものなので、必ず打つこと。
・註を省略したり、自己流の註の打ち方をしたりしないこと。
・註については、専門書や論文を参考にして正しく丁寧に打つこと。
・註の不備なレポートが依然として目立つので、註は正確かつ丁寧に記載すること。
・レポートは卒業論文の準備作業となるものなので、しっかりと取り組むこと。