科目名 | |||
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古文書学 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第2類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA003402 |
この講義では、古代・中世における古文書について、その定義や伝来から説き起こして、多様な文書様式の体系に至るまでを詳しく解説します。
日本史の研究を進めるにあたって、その材料となるのが、古文書を初めとする様々な史料です。したがって、ある時代の歴史を学び、研究するには、その時代の史料の特色を知っておくことが、不可欠の前提となります。すなわち、古文書学は日本史を学ぶ上での基盤となるものなので、日本史に関する卒業論文の執筆を予定している学生は是非とも履修してください。
佐藤進一『新版古文書学入門』(法政大学出版局、2003年)
本テキストは古文書学の体系を一書にまとめたものとして最もスタンダードなもので、もともと他大学の通信教育の教科書として著されただけに解説が詳しく、自習にも適しています。テキスト本文の内容をただ読むだけでなく、豊富な図版や実例に即して古文書の「形」とその意味にも目配りし、さらには個々の文書様式が用いられた時代の政治的・社会的背景と関連付けながら、古文書の歴史と体系に対する理解を深めてください。
日本史に関する一般常識がなくては、十分な学習が望めません。「歴史(日本史)」または「日本史概説Ⅰ」を既に履修していることが望ましい。
歴史(日本史)、日本史概説Ⅰ
科目試験による
テキストからさらに一段階進めて、最先端の古文書学について知るには、2018年に国立歴史民俗博物館で開かれた企画展示の図録『日本の中世文書―機能と形と国際比較―』が、古文書の図版も豊富でお薦めできます。古文書を読む能力を養っていく上では、同図録のほか、『演習古文書選』全8冊(吉川弘文館)などの古文書写真集や各種史料集が有用です。
史料の読解に用いる国語辞典としては『日本国語大辞典』(小学館)、漢和辞典としては『大漢和辞典』(大修館書店)、日本史辞典としては『国史大辞典』(吉川弘文館)が優れているので、近隣の図書館等で利用してください。くずし字辞典としては『くずし字用例辞典』『くずし字解読辞典』(東京堂出版)、『五体字類』(西東書房)などがあります。
古文書の実物は、各地の博物館に足を運んで探してみてください。東京・京都・奈良・九州(福岡県太宰府市)の各国立博物館や国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)・国立公文書館(東京都千代田区)、あるいは都道府県立の歴史博物館には常設で展示してある可能性が高いほか、市町村の博物館や寺社付設の資料館・宝物館にも古文書を所蔵・展示しているところがあります。また、毎年秋には奈良国立博物館で正倉院展が開かれ、鎌倉の建長寺・円覚寺では文化の日前後の風入れ(虫干し)期間に所蔵文書が数日公開されており、そのほか古代・中世の歴史に関わる特別展があれば普通は何か出陳されています。レポートの題材に取り上げた古文書の実物をいつ、どこで見たのか、レポートに必ず明記してください。
古文書の様式については、テキストを参照してください。内容については、博物館等の図録だけでなく、古代・中世の歴史に関する通史(記述が詳しいものとしては講談社学術文庫の『日本の歴史』や中央公論新社『日本の中世』シリーズなど)や専門書、あるいは関係する地域の自治体が編纂した『~県史』『~市史』の類を探して、詳しく調べてください。