科目名 | |||
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日本語学 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA100401 |
われわれは母語である日本語を本能によって自然に覚えてしまい、毎日日本語の枠組みを通してまわりの世界を認識し、日本語によってものを考え、夢さえ日本語で見ているにもかかわらず、かえってそれだからこそ、その存在を意識することがない。自分も自分の日本語という色眼鏡をかけていることに気付かず、自分のことばと世代差や地域差があると「乱れている」「古くさい」「なまっている」ときめつけがちで、それによっていわれのない偏見を生み出すことさえある。コミュニケーションのためにしか用いられない外国語とは異なり、四六時中、認識や思考のためにももちいている母語だからこそ、それを絶対視しないために正確な実像を知っておく必要がある。また、日本文学は日本語をもちいる言語芸術だから、日本文学を学ぶには各時代の日本語について深く知っておくことが当然の前提である。
本科目では日本語の歴史を追う形で日本語の言語的な諸側面を概観する。日本語の諸側面について、言語学的に正確で精密な知識を身につけることが本科目の目標である。
沖森卓也『日本語全史』筑摩書房(ちくま新書)、2017年
本科目のテキストは
第1章 古代前期──奈良時代まで
第2章 古代後期──平安時代
第3章 中世前期──院政鎌倉時代
第4章 中世後期──室町時代
第5章 近世──江戸時代
第6章 近代──明治以降
と日本語の歴史を追いながら、各章はそれぞれ
1 総説
2 文字表記
3 音韻
4 語彙
5 文法
と日本語の各分野を解説してゆくかたちをとっているので、日本語の歴史だけでなく、日本語学の各分野について全般的な知識を得ることができる。言語は精密な体系をなしているので、飛ばし読みをすることなく、ノートをとりつつ、正確な読解をこころがけること。
現代・過去の日本語について興味関心を持った学生の受講を望む。他人が使っている言語をただちに誤りとせず、洞察をめぐらすような心構えが必要である。
レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。
『日本語の歴史』全八冊 平凡社(品切 図書館を利用すること)
『日本語学研究事典』明治書院
斎藤純男『日本語音声学入門』三省堂
引用は必ず「 」でくくり、出典を明記すること。