科目名 | |||
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国語学各論 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 1 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA002402 |
国語学が対象とするものは幅が広く奥行きも深い。国語の音韻・語彙・文法はもちろん、その背後にある歴史、民俗、文化、思想等さまざまなものを含むが、国語辞典・漢和辞典はそれらを包括し、規範となる説明を行なっているはずのものである。この各論では、現在・過去のいろいろな辞書・事典類を紹介した。但し冊子体のもののみを対象とし、電子辞書や玉石混淆のネット関係のものは除外してある。電子辞書の利便性はある程度認めるものの、紙媒体のものを電子化しただけのものや進化途上のものが多いからである。また、ネット上に氾濫している情報には、無責任で怪しげなものが多く、信頼に欠けるからである。
本テキストには数多くの注がつき、しかも詳細なものが多い。したがって注を読むことによって得られる知識その他は大きいと考える。また、第3章において、江戸時代の辞書・事典を取り上げているが、次々と出版された節用集や「増續大廣益會玉篇大全」、平安時代に成立し江戸時代によく参看された「倭(和)名類聚鈔(抄)」など、珍しいものではなく、普通に行なわれたものを紹介している。そして巻末の参考文献解題はただ単なる書名の羅列ではなく、参照する際に役立つようにその章立て・内容等を記し、ときに批判も加えてある。書名や編集者名を覚えるだけではなく、注や参考文献を活用し、実際に当該文献を読んで行ってほしい。
現代・過去の日本語について興味関心を持った学生の受講を望む。他人が使っている言語をただちに誤りとせず、洞察をめぐらすような心構えが必要である。
レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。
辞書・事典は、自分で読み、自分で引くもので、他人に引いてもらうものではない。したがって、参考文献やネット検索で得た知識をそのまま写すことは厳禁。利用してみての実体験に基づいた報告を期待する。