科目名 | |||
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近代日本文学 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 3 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA001502 |
近代日本文学に関する研究方法の基礎を学びます。具体的な作品に即した読解のしかたと、資料の探し方・使い方を中心とします。個別の作品を分析するためのツールとして、今や欠かせない、語り分析(ナラトロジー)についても知っておきましょう。参考文献は、自分で作品を選ぶ際の指針ともなりますので、併せて読むことをお勧めします。テキストの構成は以下のようになっています。
はじめに
第一部 テクストを読むとはどういうことか(実践編)
第一講 作者が偉く見える小説の作法―志賀直哉「小僧の神様」(1920年)
第二講 自由に読むには、修業がいる―夢野久作「瓶詰地獄」(1928年)
第三講 語り手は葛藤する―太宰治「葉桜と魔笛」(1939年)
第四講 時代背景を知ると、おいしさ二倍―中島敦「文字禍」(1942年)
第五講 文庫本で読んでる? まあ、悪くないけど…の理由―井伏鱒二「朽助のいる谷間」(1929年・1964年)
第六講 共感できない、のも研究として〈あり〉―川端康成「水月」(1953年)
第七講 小説でしか語れない歴史―有吉佐和子「亀遊の死」(1961年)
第八講 ふたたび生き方と結びつける―川上弘美「蛇を踏む」(1996年)
第二部 研究にするための資料と態度(方法編)
第九講 文学研究は、自由だから不安である
第十講 挿絵は、本文以上に語る―久米正雄「不死鳥」を例に
第十一講 作品は、読まれなくても〈名作〉になる―堀辰雄「風立ちぬ」を使って
第十二講 資料は、あなたに掘り起こされるのを待っている―大谷藤子を例に
第十三講 論争が読めれば、あなたはかなりのもの―倉橋由美子「暗い旅」論争
第十四講 文学史をどのように考えるか
第十五講 参考文献の探し方
おわりに
他人の論文を読んでまとめるだけでなく、自分自身で書く作業を通じて考察することが求められる。
科目試験による。
安藤宏『日本近代小説史』2015年、中央公論新社
三好行雄編『近代日本文学史』1975年、有斐閣
松本和也編『テクスト分析入門』2016年、ひつじ書房
河野龍也編『大学生のための文学トレーニング近代編』2011年、三省堂
必ずテキスト第15講を一読してください。どこにどの文献を参照したのかが明確にわかるように、どこからが自分の意見なのかはっきりわかるように書いてください。ワープロ使用の際は、最後に総字数を明記するなど、分量がわかるようにしてください。