慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
ACADEMIC WRITING Ⅱ
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 第3類 単位 4
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード T0EA009301

講義要綱

〔授業の到達目標及びテーマ〕
 統合的な英語運用能力を身につけながら、英語で学習レポートや論文を書くためのリサーチの手法とアカデミックな英語を学ぶ。
〔授業の概要〕
 英語圏の文学や言語文化を対象として学習レポートや卒業論文等を作成するために必要な、様々なジャンルの英文を分析的に読解するための技術、自分の議論を客観的に展開するための英作文の能力、さらには、聞き取り調査や学習成果のプレゼンテーションに必要な英語のヒアリングおよび口頭発表技術を身につけて、それらを実際にアカデミックな小論文を作成することで統合的に活用する。
〔授業計画〕
 アカデミックな英語運用能力を身につけるには、具体的な課題を設定して、それに取り組むことで4技能を体得することが有効である。本科目では、英語圏の文学や言語文化を対象として小論文を作成することを通じて、さまざまなジャンルの英語による文献資料の読解力およびAV資料の聞き取り力、アカデミックな英語の慣習にもとづいた客観的な作文、論述力、さらには成果の口頭でのプレゼンテーションに必要な発表技術やメディア・リテラシーを身につけることを目的としている。指定教科書(『ACADEMIC WRITING II─英米文学・文化研究における英語論文作成法』)の構成は次の通りで、レポートや論文を書くための文献調査、英語文献の調査法、分析的な読解、論文の形式などについて具体的に教えるとともに、論文英語の実際や執筆のためのメディアの活用について、練習問題とともに演習できる内容となっている。
 第1部 「Researching the Academic Paper(アカデミック・ペーパーのためのリサーチの方法)」(日本語)
 第2部 「English for Academic Writing: A Stylistic Overview」(英語)
 第3部 「Mastering the Medium: A Guide to Advanced Word Processing」(英語)
 第4部 「Appendix(補遺)」(日本語)

テキストの読み方

Parts I & IIについては、英語論文作成について、テーマの絞り込み方から実際の執筆まで、具体的に記されているので、熟読かつ精読すること。Part IIIは、その後のWORDのバージョンアップにともなって変更もあるが、論文作成のために活用できる機能の基本は変わらないので通読し、実際にWORD上で試してみるとよい。Part IV(特に4.3)は論文作成において、注や参考文献の書式を確認するために活用すること。

履修上の注意

上記指定教科書を熟読のうえで取り組むこと。

関連科目

ACADEMIC WRITING I─英語論文作成法─

成績評価方法

レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。

参考文献

「ACADEMIC WRITING I─英語論文作成法─」の参考文献を参照。
 なお、和英辞典だけでは十分ではない(指定教科書27頁を以下は補足)。
1)Collocation Dictionary(英語活用辞典:ある語がどの語と組み合わさって用いられるかを調べる辞書)例(e.g.):http://www.freecollocation.com/
2)Thesaurus(シソーラス:同じ語を繰り返して用いないために用いる類語辞典)例(e. g.): http://www.thesaurus.com/網羅的なものではないが、最所フミ『英語類義語活用辞典』ちくま学芸文庫は日本語で読めるものとして非常に有益である。
 1)と2)の両方とも英語らしい英語を書くのには必須である。いずれの種類もいろいろなものが出ているので、見やすく使い易いものを探すこと。

レポート作成上の注意

This essay must conform to the style(s) and format explained in the textbook and should be typed using a computer or word processor. It is expected that the works and critical studies referred to are for the most part in English, although the use of Japanese books, journals, etc. is not discouraged.
 上記のとおり、ワープロで体裁および形式を調えて論文を提出すること。形式については可能なかぎりMHRAに準拠することを推奨する(http://www.mhra.org.uk/styleから無料でオンライン版を参照、あるいはPDFを入手可能);日本語文献については佐藤望編『アカデミック・スキルズ─大学生のための知的技法入門(第2版)』(慶應義塾大学出版会、2012年)巻末を参照すること。エッセイで論じる作品については、レポートで引用する際には英語の原文を用いること(いうまでもなく、最初から日本語で書かれている著作や雑誌論文については、これは当てはまらない)。