科目名 | |||
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イギリス文学研究Ⅰ | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA000403 |
〔授業の到達目標及びテーマ〕
第一次世界大戦とイギリス小説を多角的に考察する。具体的には以下の3点を軸とする。
1.第一次世界大戦とはいかなる戦いであったのか、歴史的事実を踏まえながら考察することができる。
2.第一次世界大戦中の女性たちの立場をさまざまな角度から考えることができる。
3.第一次世界大戦を経験し、その経験を小説に表現した女性作家たちの作品世界を理解する。戦争が強いる生を切り取る作品を読み、その世界を知ることで、歴史と文学の有機的な関係を知る。
〔授業の概要〕
20世紀の最大の歴史的事件である第一次世界大戦は21世紀の現代でもさまざまな作品の重要なテーマとなっている。歴史と文学を戦争を軸に考察したい。とりわけ、戦争における女性たちの立ち位置を明確にしたい。
〔授業計画〕
指定教科書の構成は次の通り。(テキストに章番号はふられていないが、以下、便宜上章番号を付す。)
第1章 はじめに戦争ありき 河内恵子
第2章 戦争の影を求めて ─『歯科記録』からドロシー・リチャードソンの『遍歴』を読む
第3章 女たちの戦争 ─レベッカ・ウェストの『兵士の帰還』を読む
第4章 もう一人のジェイコブ ─ヴァージニア・ウルフの『ジェイコブの部屋』と戦争
第5章 不在の戦争、あるいは享楽の反復 ─キャサリン・マンスフィールドの「至福」を読む
第6章 心に開いた生の傷 ─メイ・シンクレアの『ロマンティック』を読む
第7章 「戦争は私の信念を裏切り、私の愛を嘲った」 ─ヴェラ・ブリテンの『青春の遺言書』と『暗い満ち潮』を中心に
第8章 中間地帯(ノーマンズランド)という居場所 ─ラドクリフ・ホールの『孤独の泉』を読む
第9章 母と娘が紡ぐ残酷物語 ─ヘレン・ゼナ・スミス『西部戦線異状あり─戦争の継子たち』を読む
第10章 戦争という歴史/物語 ─21世紀の今、第一次世界大戦文学は?
通読して、文学史と文化史を把握してもらいたい。各章の考察を通じて明らかになる文学研究上のトピックスと多様な文化的・社会的コンテクストをよく整理し、参考文献などを活用しつつ理解を深めてほしい。
教科書の各章で扱われている文学作品を(できれば原文で、やむを得ない場合は翻訳で)精読して臨んでいただきたい。
レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。
Baldick, Chris. The Oxford English Literary History: The Modern Movement, 1910-1940. Oxford: Oxford UP, 2005.
清水一嘉・鈴木俊次編『第一次世界大戦とイギリス文学─ヒロイズムの喪失』世界思想社、2006年。
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