科目名 | |||
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イギリス文学研究Ⅲ | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 第3類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EA000501 |
〔授業の到達目標及びテーマ〕
イギリス演劇の歴史的変遷と全体像を把握し、それぞれの時代の名作を原語で講読し、作品のみならずイギリスの文化や歴史を深く理解できるようになることが到達目標である。
〔授業の概要〕
本科目の受講生は以下のようなプロセスで学習を進め、レポート作成へと至ってほしい。
1 教科書を通読し、イギリス演劇の歴史的変遷や文化的な文脈、各作家の劇作品について、バランス良く基礎知識を習得する。特に教科書の第一部「イギリス演劇小史」をしっかりと読んでそれぞれの時代や作家の特徴を理解してほしい。
2 教科書を参考にイギリス演劇の劇作品を複数選び、分析的に精読する。教科書の第二部に収録された作品の原文(抄)、あるいはその他の興味がある作品については註や解説が豊富な学術的校訂版を入手し、翻訳などを活用しつつ、原文と意識的に対照させながら読む。また、各時代からそれぞれ一編ずつ読むのが望ましい。
3 イギリス演劇を実際にどのように分析するのか、それを知り、自分の解釈を客観的に提示するための参考とするために、近年の研究書の中から定評あるものを複数読んでみる(教科書第三部の参考文献集を利用する)。
〔授業計画〕
教科書の通読について
本科目の教科書『イギリス文学研究Ⅲ─演劇─』は、イギリス演劇全体を把握し、理解するために必要な作家や作品を中心に、その演劇的・文化的背景に目配りをしつつ記述されている。教科書をしっかりと何度も通読し、頭に入れることで、それぞれの作品や作家だけでなく、イギリスの演劇や文化全体を理解する基本的知識を身につける。その上で、各自の興味に従ってそれぞれの時代の劇作品を数点選び、じっくりと読み込んでほしい。学ぶ内容は以下の通りである。
第一章 中世宗教劇からエリザベス朝演劇へ
第二章 シェイクスピアの時代
第三章 ベン・ジョンソンから劇場閉鎖まで
第四章 王政復古期の演劇
第五章 十八世紀から十九世紀末まで
第六章 二十世紀の演劇
第一章からはじめて順番に時代を下って行くように進め、各章に少なくとも一カ月はかけてほしい。
個々の作品世界に入り込むことが重要である。その鍵を握るのが登場人物の台詞であろう。台詞は言葉の集積である。それ故に、一語一語の意味を解き明かし、登場人物の心理や思想、行動様式や生き方などを理解する作業が不可欠である。行間を読む(read between the lines)という作業に挑むことこそが何よりも求められているということを、自覚してほしい。翻訳の助けを借りつつ、原文を読んでみると、テクストへの理解が深まり、結果としてレポートが書きやすくなることだろう。
参考文献からの引用などは具体的引用箇所を明らかにすべきであり、断りなく書き写してはならない。書き写したこと=剽窃が判明した場合には試験における不正と同じ扱いとする。稚拙な文章であると思われても、自分自身の頭で書き連ねる努力が大切である。
「イギリス文学研究Ⅰ─散文─」、「イギリス文学研究Ⅱ─詩─」、「シェイクスピア研究」等の科目と有機的に関連している。
レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。科目試験は概ね第一章から第六章へと順番に出題していく。
教科書の第三部参考文献集を利用すること。
レポートの作成にあたっては、他の文献から引用した箇所、他の文献の記述を自分なりにパラフレーズして使用した箇所には、正確な註をつけること。それをしない場合には剽窃とみなされる。また、レポートの末尾に、使用した文献を一次資料(引用した作品そのものやその他の原典資料)と二次資料(研究書、研究論文など)に分けて列挙すること。註や参考文献の書式は『塾生ガイド』(または『教職課程履修案内』)に掲載の「レポートの作成」、そして『MLA英語論文の手引』などを参考に正確に記すこと。また「ACADEMIC WRITING II」のテキスト(通信教材)には、註の付け方や書式について、詳しい解説が含まれている。註、参考文献が不正確なレポートは再提出となる。