本科目では、ラテン文学（古代ローマ文学。狭い意味での文学だけでなく、歴史や哲学をも含みます）の主要な作家および作品について、基礎的な知識を学ぶと共に、翻訳を通じて作品に実際に触れることを目的とします。指定教科書の構成は次の通りです。

はじめに
第一章　ラテン文学発生期
第二章　黄金時代前期（キケロー時代）
第三章　黄金時代後期（アウグストゥス時代）
第四章　白銀時代（初期帝政時代）
補章　ラテン詩詳解
Appendix―ラテン文学抜粋篇

人物名や作品名が非常に多く、次々と出てくるので、繰り返し何度もテキストを読むようにしてください。また、現在ではラテン文学の邦訳や日本語文献も数多く出版されているので、テキスト巻末の文献案内を参考に図書館を利用するなどして活用してください。

テキストを読んで、単に文学史的な知識を丸暗記するのではなく、興味を持った作品には翻訳を通じてできるだけ多く触れてください。テキストAppendixの「ラテン文学抜粋篇」も参考になります。また、文学作品に限らず、古代ローマの歴史や文化、美術などに関する書籍や映像資料などを広く参照することで、一層、理解が深まります。

現在ではラテン文学の邦訳や日本語文献も大幅に増えており、図書館を利用するなどして活用することを勧めます。テキストの文献案内も参考にしてください。

〈ラテン文学史〉

松本仁助・岡道男・中務哲郎編『ラテン文学を学ぶ人のために』(世界思想社、1992)
高橋宏幸編著『はじめて学ぶラテン文学史』(ミネルヴァ書房、2008)
逸身喜一郎『ギリシャ・ラテン文学――韻文の系譜をたどる15章』（研究社、2018）

〈邦訳〉

多くの作品が京都大学学術出版会の西洋古典叢書に収められています。岩波書店もキケローやカエサル、セネカの作品集を出版しています。文庫本では特に岩波文庫(赤・青)と講談社学術文庫に多くの邦訳があります。また、日本語で書かれた古代ローマに関する書籍も岩波新書や中公新書、講談社学術文庫を中心に数え切れないほど出版されているので、適宜参照して知識を深めてください。

ラテン文学作品を翻訳で読み、本文を具体的に引用して根拠を示しながら自分自身の考えをまとめるようにしてください。他の書籍や資料も参照・引用した場合には、必ず註や参考文献表をつけて典拠を示してください。