科目名 | |||
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計量経済学 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EB006702 |
現代の経済分析では、計量的手法は欠かせない存在になっています。「計量経済学」は、経済理論を用いて実際の経済を統計学的に研究する学問です。非常に応用範囲が広く、学ぶべき項目も数多くあります。そのため、計量経済学を効率的に学ぶにはきちんとした段階を踏む必要があります。最初に(1)分析方法の基礎、(2)経済分析において生じやすい分析上の問題とその解決方法を学んだ上で、(3)各自の持つ研究課題への応用という実践の段階に進むことが可能となります。
本科目では、計量経済学の基礎である上記(1)、(2)について、近年、利用が広まっている統計分析フリーソフトウェアである「R」を用いながら学びます。本科目は、この科目で学んだことを卒業論文などで現実の問題を研究するにあたって活用することにより、将来的に実践での力をつけていくことのきっかけとなることを目的としています。指定教科書の構成は次の通りです。
第1章 経済学と計量分析
第2章 計量経済学とは
第3章 単純回帰分析
第4章 回帰式の説明力と仮説検定
第5章 自己相関
第6章 不均一分散
第7章 重回帰分析
第8章 多重共線性と変数選択
第9章 構造変化、理論の妥当性のテスト
第10章 同時方程式体系
秋山裕『Rによる計量経済学 第2版』オーム社、2018年
第1、2章では、計量経済学の考え方、実証分析の進め方について、第3、4章では、統計学で学んだ単純回帰の復習をしながら、「R」の基本操作について学びます。そして、第5章以降では、「R」の機能を活用しながら計量経済学の基本を学んでいきます。各章に例題があり、「R」による分析のしかたが説明されていますので、「R」を用いて結果を再現しながら読み進めていくとよいでしょう。また、章末問題は、実際の分析例を検討しながら各章で学んだことの復習を行えるようになっています。科目試験ではこのようなタイプの問題が出題され、計量経済学に関する理解が問われます。(科目試験では、解答に計算を伴う問題は出題されませんが、レポートで行ったRによる推定や検定の結果について正しく読み取ることができるかに関する問題は出題されます。)
実際に「R」を操作して計算することが理解への早道であるだけでなく、皆さんが卒業論文などで実証的分析を行う際に役に立つでしょう。
「経済原論(ミクロ経済学)(E・J)」「経済原論(マクロ経済学)(E・J)」、および「統計学(A)」を事前に学習しておいてください。これは、「計量経済学」が、経済理論を用いて実際の経済を統計学的に研究する学問であるためです。また、数学については微分の知識が必要となりますが、そのレベルは「経済原論(ミクロ経済学)(E・J)」「経済原論(マクロ経済学)(E・J)」で用いる程度をきちんと理解していれば問題はありません。
「経済原論(ミクロ経済学)(E・J)」+「経済原論(マクロ経済学)(E・J)」、および「統計学(A)」の学習を終えていること。
科目試験による。
福地純一郎・伊藤有希『Rによる計量経済分析』朝倉書店、2011年
赤間世紀『Rで学ぶ計量経済学』工学社、2009年
山田剛史・杉澤武俊・村井潤一郎『Rによるやさしい統計学』オーム社、2008年
蓑谷千凰彦『計量経済学(第2版)』多賀出版、2003年
計量経済学は計算結果を求め、図も描く科目ですので、特に分量に制約を設けません。添字、分数などの数式の表記を、ワープロの数式エディタ機能によって正確に出来る者のみワープロで提出することができます。
これらの表記が不明瞭であった場合は採点の対象とはなりません。
また、計量経済学のレポートではテキストで取り上げられるデータ分析の実践に重点が置かれるため、論述形式のレポートのような参考文献の使用は必要ありません。
提出にあたっては、Rのコマンドファイルと、出力ファイル(主要部分のみ)を示してください(その際は、にフォントや行間を調整し、ページが多くならないように努めてください)。それらが示されていない場合、適切な添削を行うことができません。