科目名 | |||
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憲法(E) | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EB000603 |
講学上、憲法は、統治の仕組みを対象とする「統治機構論」と、憲法上の人権を対象とする「人権論」とに大別される。本講義は、その両方を対象に、「法律」ではなく「憲法」で人権を保障するとはどういう意味を持つのか、憲法が保障する人権は誰に対してどの程度まで保障されるのかといった、憲法上の人権にかかわる抽象的な問題(人権総論)から、具体的に憲法により保障される個別の人権をめぐる解釈、判例、実践の問題(人権各論)、そして国家統治の仕組みとして憲法はどのような制度を構想しており、そこにはいかなる論点が伏在しているのか(統治機構論)など、憲法の全体像を把握したうえで、具体的な問題を自分で考える力を養うことを目的とする。
駒村圭吾編『プレステップ憲法〔第4版〕』弘文堂、2024年(2月末発売予定)
憲法に関する知識は、すでに小中高校でも学んでいるだろう。しかし、専門科目・法学としての憲法の場合、従来の知識がむしろ理解を妨げることもありうる。その場合、先入観を捨てて、テキストの説明を素直に読み、場合によっては法律用語辞典などを参考にしながら、理解に努めてほしい。
また、よくわからなかった部分については、別の教科書の記述を見てみるなどすると、理解が進むこともある。指定したテキストの末尾に、定評のある教科書などが挙げられているので、それを参考にすること。
「国際法」、「行政法」、「刑事訴訟法」など
科目試験による。
憲法に限らず、法学の学習において判例を参照する機会は多い。直接原文に当たることが必要な場合もあるが、本講義の場合、事実関係、判旨を整理したうえで、解説をしている判例集を参考にすればよい。この授業では、もっともコンパクトに多くの判例を掲載している、小泉良幸・松本哲治・横大道聡編『憲法判例コレクション』(有斐閣、2021年)を推奨する。
その他、より内容が詳しく定評のある判例集としては、次のものがある。
・長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿『憲法判例百選Ⅰ、Ⅱ〔第7版〕』有斐閣、2019年
・木下昌彦編集代表『精読憲法判例[人権編]』弘文堂、2018年
・木下昌彦編集代表『精読憲法判例[統治編]』弘文堂、2021年
その他、指定テキストの末尾の文献案内も参考のこと。
① まず、問われている課題を十分に理解し、論点を整理することが必要である。そして、そのためには、テキストや参考文献をよく読むことが求められる。
② 当該論点については、すでに、関連する判例、学説などが存在しているはずである。それらをきちんと読み、判例はどのような立場なのか、学説は何を巡って対立しているのか、といった問題状況を把握することが求められる。
③ そのような問題状況に対して、レポート作成者はどのように考えるのか、そしてそのように考えた理由は何かを明らかにし、自分の考えを説得的に「レポート」する必要がある。
④ このようにレポートを作成するとなれば、必ず、先行業績を参考にしなければならないことに気づくだろう。参考にした先行業績は、必ず引用すること。他者の考えたこと、まとめたことを、あたかも自分が初めて考えたことのようにレポート作成する行為は、不正行為である。