科目名 | |||
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日本法制史 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 4 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EC100501 |
本講義の目的は、日本法の歴史を通覧することを通して、法は古来より、形成され、改変され、変化してきたものであるがゆえに、未来に向けても新たに作り変えてゆくことができる、という展望をみなさんに持っていただくことにあります。現代日本の法制度は、けして所与のものではありません。現代に生きる私たちが、過去の法の姿を知ることを通して、未来に向けて生成してゆく法の姿をもイメージできるとしたら、法の歴史の勉強は、実はとてもアクチュアルなことではないでしょうか。本講義では、みなさんに日本法制史の通史的な理解をしていただくために、最新の成果に基づくテキストを用いて勉強して頂きたいと思っております。
出口雄一・神野潔・十川陽一・山本英貴編著『概説 日本法制史 第2版』(弘文堂、2023年)
まず、お好きな時代の章からお読み頂いてよろしいかと存じます。次に、その前後の時代や時期に目を配りながら、ともかくも一度全部を読んで頂きたいと思います。そしてその後は、事項的に各章を拾い読みしてみて下さい。例えば、「司法制度」をキーワードに、その古代から近代・現代に至る経過を頁をめくりながらイメージしてみるのです。あるいは、「法律学」、「法律家」、そして「法典」など、「法学」で習う本当に基本的な事項を教科書の中に投影して、それらがいろいろな時代に、いろいろな表現の下に叙述されていることに気づいて頂きたいと思います。ここまでくれば、レポートの課題に立ち向かう準備はひとまず整ったといえるでしょう。頑張って下さい。
法の歴史を初めて学ぶについては、歴史に関心のある方、法に関心のある方、出発点が異なる場合があろうかと思います。法も歴史も学びたいという意欲的な方の受講をお待ちしていますが、どちらにしても、「法学(憲法を含む)」(テキスト科目でもスクーリングでも)を一通り勉強して履修されることをお勧め致します。
余裕があれば、西洋法制史も併せて勉強してみることをお勧めします。日本の近・現代法の基礎は、歴史も文化も異なる西洋の法素材からできています。法を歴史的に認識することに一層の深みが増すことと思います。
科目試験によります。
高谷知佳・小石川裕介編著『日本法史から何がみえるか――法と秩序の歴史を学ぶ』(有斐閣、2018年)
レポート作成にあたっては、参照した文献や引用した箇所については、必ず脚注を付してその典拠をきちんと明示して下さい。脚注をきちんと付しておらず、参照した文献やその箇所を明示していないレポートについては、合格点を出すことはできません。もとより、テキストの該当する箇所を抜粋するだけでは合格点をあげられません。設問の趣旨に立ち返って、何を問われているのかを明確に意識して作文して下さい。また、指定されたテキストや参考文献だけでは、自身の見解を構築するための材料が十分ではありませんので、図書館などで関心に応じた文献や論文を探し、説得的な立論を行うことを心がけてください。