科目名 | |||
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商法総則・商行為法 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EC011202 |
実質的意義における商法とは、企業に関する法をいう。これに対して、形式的意義における「商法」とは、明治32年3月9日制定の商法とう名称を有する法律(商法典と呼ばれることもある)のことを指し、この「商法」の第1編が総則、第2編が商行為であり、当該科目は、これらが規定する企業主体と企業取引についての法について学ぶものである。これらを理解することは、私法の一般法である民法の理解をさらに深めることに役立ち、また、実質的意義の商法(企業法)の分野に属する、会社法、手形法・小切手法、保険法、海商法などを学ぶための橋渡しともなる。
平成29年5月に行われた民法の債権法改正の影響により、「商法」も、第二編商行為編で規定されていた商事法定利率や商事消滅時効に関する規定が削除されるなどの重要な改正が行われたほか(令和2年4月1日より施行)、さらに、平成30年5月にも、運送、海商を中心とする規定に大幅な見直しがなされ、カタカナ文語体が一部に残っていた表現もひらがな口語体に改められた(平成31年4月1日より施行)。テキストとして採用された第6版は、上述の改正を踏まえて第5版を全面的に改訂したものであるが、これらの改正前後の異同にも注目して勉強してほしい。
落合誠一・大塚龍児・山下友信『商法Ⅰ─総則・商行為〔第6版〕』有斐閣、2019年。
テキストでは、紙幅の関係から商法の内容を中心に説明されており、民法との対比については指摘するが詳しく説明されていない部分もある。しかし、これについては、きちんと一般規定である民法の内容も確かめたうえで、正確な知識をもってテキストを読み進めてもらいたい。また、当該科目の理解には、商人と商行為の概念、並びに、これらの相互の関係の理解は不可欠であるので、まず、この点についてしっかりと理解してほしい。
参考として、テキストの目次の概要を以下に示す。
第1編:総論 第1章:商法の意義 第2章:商法の形成と展開 第3章:商法の法源 第4章:商法の適用
第2編:企業主体としての商人 第1章:商人とその営業 第2章:企業の物的要素 第3章:企業の人的要素 第4章:企業の公 示・商業登記 第5章:企業の移転・担保化
第3編 第1章:総論 第2章:商事売買取引 第3章:運送取引 第4章:運送取扱取引 第5章:倉庫取引 第6章:場屋取引
(以下省略)
なお、テキストの第3編の第8章証券取引、9章保険取引は、当該科目のレポート、科目試験の出題範囲から除くものとする。
民法総則は履修済であること。他の民法の科目(債権総論、債権各論など)についても履修していることが望ましい。
民法関連科目全般、会社法、手形法、保険法・海商法。
科目試験による。
北居功=高田晴仁編著『民法とつながる商法総則・商行為法(第2版)』商事法務、2018年。
近藤光男『商法総則・商行為法(第9版)』有斐閣、2023年。
弥永真生『リーガルマインド 商法総則・商行為法(第3版)』有斐閣、2019年。
藤田勝利=北村雅史編『プライマリー商法総則・商行為法(第4版)』法律文化社、2019年。
テキストをきちんと学習し理解したうえで、レポート課題が何を問うているのかをきちんと見極め、ポイントがずれないように検討をすすめることが大切である。テキストや参考資料の丸写しは、評価できない。剽窃にならないように、適切な注の付け、正確な引用方法を学んでほしい。複数の資料を読み、自らの力でそれを理解し、自分の解答を導き出すための努力が必要である。