科目名 |
保険法・海商法 |
科目設置 |
法学部専門教育科目 |
授業形態 |
テキスト科目 |
科目種別・類 |
甲類・乙類 |
単位 |
3 |
キャンパス |
- |
共通開講学部 |
- |
設置年度 |
2024 |
授業コード |
T0EC011302
|
講義要綱
保険法
人は常にいろいろな危険(偶然な事故により経済的損失を被る可能性)に対峙しているので、多くの人は保険に加入しています。保険とは、同種の危険にさらされている者が集団(保険団体)を形成した上で、各人がその危険率に応じた資金(保険料)を拠出することにより共同的備蓄(保険基金)を形成し、特定の者に一定の事故(保険事故)が発生した場合に、その者が保険基金から所定の金額(保険金)の支払いを受ける制度です。保険法はこのような保険の法的構造を理解することを目的とした科目です──保険商品の紹介や比較を行うわけではありません。近時の商事判例の中では保険契約に関する裁判例が多く、また、企業再編の流れの中で保険相互会社の株式会社への組織変更が急速に進みました。さらに、規制緩和は、金融業の中の保険業、金融商品としての保険という位置づけを求めるでしょう。ますます重要性が増大する保険法ですが、前提知識を欠くと理解が困難です。民法(財産法:民法総則、債権総論、債権各論)および会社法の基礎を理解した上での履修を薦めます。なお、「保険法」は平成20年に制定された比較的新しい法律です(保険法施行前は、実質的意義における保険法は商法典中の商行為編の保険の章で規定されていました)。また、近年では、平成26年および令和元年に会社法が、平成29年には民法(債権法)が大きく改正されています。注意してください。
海商法
海商法(海上企業法)は、①海上企業の組織、②海上企業の活動、および③海上損害に関する規定から構成されます。①は人的組織として企業主体(船舶の所有者、賃借人、共有者)と企業補助者(船員)、物的組織として船舶、そして船舶金融(船舶債権者)、②は海上の、つまり船舶による物品運送と旅客運送、③は航海に伴う危険は特殊性が強いので、その損害に関して、積極的対策(共同海損、海難救助)と消極的対策(船舶衝突、海上保険)、これらをそれぞれ対象としています。海商法は古い時代から発達してきており、いわば商法の起源ともいえる領域ですが、特殊性を有するので、民法(財産法:民法総則、物権法、債権法)、商法(商法総則、商行為法)、および有価証券法(海商法には船荷証券をめぐる諸問題があります)の基礎を理解した上での履修を薦めます。なお、海商法(商法の一部および国際海上物品運送法)は平成30年に改正されています。注意してください。海商法(海上企業法)は、①海上企業の組織、②海上企業の活動、および③海上損害に関する規定から構成されます。①は人的組織として企業主体(船舶の所有者、賃借人、共有者)と企業補助者(船員)、物的組織として船舶、そして船舶金融(船舶債権者)、②は海上の、つまり船舶による物品運送と旅客運送、③は航海に伴う危険は特殊性が強いので、その損害に関して、積極的対策(共同海損、海難救助)と消極的対策(船舶衝突、海上保険)、これらをそれぞれ対象としています。海商法は古い時代から発達してきており、いわば商法の起源ともいえる領域ですが、特殊性を有するので、民法(財産法:民法総則、物権法、債権法)、商法(商法総則、商行為法)、および有価証券法(海商法には船荷証券をめぐる諸問題があります)の基礎を理解した上での履修を薦めます。なお、海商法(商法の一部および国際海上物品運送法)は平成30年に改正されています。注意してください。
テキスト
岡田豊基『現代保険法・海商法』(中央経済社、2020年)
テキストの読み方
講義要綱参照。
履修上の注意
講義要綱参照。
関連科目
講義要綱参照。
成績評価方法
科目試験による
参考文献
保険法
甘利公人=福田弥夫『ポイントレクチャー保険法〔第3版〕』(有斐閣、2020年)
山下友信=竹濱修=洲崎博史=山本哲生『有斐閣アルマ保険法・第4版』(有斐閣、2019年)
山下典孝編『スタンダード商法Ⅲ保険法』(法律文化社、2019年)
山下友信『保険法(上)(下)』(有斐閣、2018年・2022年)
岡田豊基『現代保険法〔第2版〕』(中央経済社、2017年)
宮島司編著『逐条解説 保険法』(弘文堂、2019年)
細田浩史『保険業法』(弘文堂、2018年)
山下友信=永沢徹編『論点体系保険法1・2〔第2版〕』(第一法規、2022年)
山下友信=洲崎博史編『保険法判例百選』(有斐閣、2010年)
甘利公人=山本哲生編『保険法の論点と展望』(商事法務、2009年)
海商法
小林登『新海商法』(信山社、2021年)
箱井崇史『現代海商法〔第4版〕』(成文堂、2021年)
中村眞澄=箱井崇史『海商法・第2版』(成文堂、2013年)
落合誠一=江頭憲治郎編集代表『海法大系』(商事法務、2003年)
松井信憲=大野晃宏編著『一問一答・平成30年商法改正』(商事法務、2018年)
レポート作成上の注意
複数の文献を読み、参考にした文献を明示してください。
丸写しレポートに対しては、課題を理解していないと判断します。引用部分には、例えば、(甘利公人=福田弥夫『ポイントレクチャー保険法〔第3版〕』★頁)のように引用元文献を括弧書きしてください。また、根拠条文を示さないレポートは大幅に減点されます。
なお、この分野においても法令の改正は頻繁です(上記の改正は大きな改正です。小規模な改正や内容が関連する特別法の改正もあります)。現行条文を確認せずに改正前の文献に安易に基づいて、もはや存在しない条文あるいは改正前の条文の解釈を行うレポート(試験の答案も同様)が後を絶ちません。もちろんそのようなレポートを評価することはできません。注意してください。