科目名 | |||
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刑事政策学 | |||
科目設置 | 法学部専門教育科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 甲類・乙類 | 単位 | 2 |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0EC005903 |
本科目は、刑事政策における基本的な諸論点について学習するものです。刑事政策の概念や歴史といった理念を学ぶ部分から始まり、刑罰論(総論的部分及び死刑・自由刑・財産刑といった各刑罰について)、犯罪者処遇論(総論的部分と施設内処遇、社会内処遇について)へと進めてもらいます。また、被害者学に関する諸問題についても学びます。最後に、各論的問題として、薬物犯罪・性犯罪・家庭内犯罪・少年犯罪などの個別犯罪についてその対策を学ぶということになります。
本科目は、単に刑事政策に関する制度を覚えるということを目的とはしていません。現代社会に生起するさまざまな犯罪に対する法的対応の検討を通じて、政策論的手法と思考能力を養っていただきたいと考えています。
指定教科書の構成は次の通りです。
第1講 刑事政策の概念
第2講 刑事政策の歴史
第3講 刑事政策の動向
第4講 犯罪予防
第5講 刑事制裁(刑罰と処分)
第6講 刑事司法・少年司法機関の役割
第7講 犯罪被害者の支援と法的地位
第8講 死刑
第9講 自由刑
第10講 財産刑
第11講 保安処分をめぐる問題
第12講 犯罪者の処遇
第13講 施設内処遇
第14講 社会内処遇
第15講 わが国の犯罪情勢
第16講 個別犯罪と対策
守山正・安部哲夫編著『ビギナーズ刑事政策〔第3版〕』成文堂、2017年
または
守山正・安部哲夫編著『ビギナーズ刑事政策 第3版補訂版』成文堂、2023年
※新しい補訂版を購入しなければならないということはありません。ただ,刑法等が大幅に改正されたため,新しい第3版補訂版を利用することを強く推奨します。もし,新しい補訂版を利用しない場合,刑法等の改正の内容が法務省のサイト等に掲載されていますし,新しい法律の内容を解説した下記のような論文が出ていますので,必ず勉強しておくようにしてください。試験も,改正が行われた部分を出題する場合,改正や改正後のことも扱うことになります。
【参考文献】
栗木 傑=中野 浩一「刑法等の一部を改正する法律の概要について」警察学論集76巻1号(2023)
栗木 傑=中野 浩一「「刑法等の一部を改正する法律」の概要」法律のひろば 75巻9号(2022)
栗木 傑=中野 浩一「「刑法等の一部を改正する法律」について」刑事法ジャーナル 74号(2022)
テキストは、勉強の出発点に過ぎません。テキストの該当箇所を読んだ後、テキストにある参考文献を読み、さらにそこに掲載されている参考文献を探すといった具合に文献の幅を広げていって下さい。
刑事政策は、刑法、刑事訴訟法など刑事法の知識が前提となる学問領域です。したがってこれら関連分野への基本的知識を有していることが望ましいです。
法学部専門科目では、刑法総論、刑法各論、刑事訴訟法が関連科目となります。
科目試験を行います。
法務総合研究所『令和5年版犯罪被害者白書』(2023)
(https://www.moj.go.jp/housouken/houso_hakusho2.html)
テキストや参考文献の内容をまとめるだけではなく、そこにどのような問題があり、それに対してあなたがどのように考えるのかを参考文献を根拠として引用し、論じることが重要です。また、あなたと異なる見解がある場合には、その見解を無視して論じてはいけません。あなたがなぜその見解をとらないのかということも含めて論じる必要があります。
その他レポート作成上の一般的な注意事項は、塾生ガイドにしっかりと従ってください。不正行為や論文の盗用があった場合には、成績評価がつかないだけでなく処分の対象となりますので、くれぐれも注意してください。
それから,ChatGPTやGeminiなどの生成AIを用いて情報収集したり,出力結果を切り貼りするなどしてレポートを作成することは,この科目については,禁止します(他の科目においては許されるわけではなく,当該科目の担当者の方針に従ってください)。生成AIによる出力やそれを利用した疑いのあるレポートは,「採点不能」として処理します。