慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
民事訴訟法
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 甲類・乙類 単位 4
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード T0EC002704

講義要綱

 民事訴訟は、広い意味では、民事紛争(私人間の生活に関する紛争)を解決するための手続を指します。けれども、普通、民事訴訟とは、「判決」という慎重な形式の裁判によって、権利の存否を確定することにより、民事紛争を解決する手続のことで、「判決手続」ともいいます。この科目は、判決手続を対象とするものです。
 テキストの構成は、以下の通りです。
  第1章 民事訴訟とは何か
  第2章 訴訟手続の開始
  第3章 裁判所
  第4章 当事者
  第5章 審理の原則
  第6章 審理の準備
  第7章 事案の解明
  第8章 訴訟要件
  第9章 判決
  第10章 当事者の意思による終了
  第11章 複数請求訴訟
  第12章 多数当事者訴訟
  第13章 不服申立て
  第14章 略式手続
  巻末資料 2022年民事訴訟法改正の概要

テキスト

三木浩一ほか『民事訴訟法(第版)』〔リーガルクエスト〕(有斐閣、2023年)

テキストの読み方

 テキストは、引用されている条文を確認しながら、熟読して下さい。よくわからない部分は、参考文献にあたる等して、理解するように努めて下さい。
 また、テキスト冒頭の「初版はしがき」及び「第4版はしがき」の部分をとくに参照して下さい。

履修上の注意

民法のとくに総則・物権・債権の部分や会社法など、民事の実体法の基本科目について学習していることが望まれます。

関連科目

倒産法(倒産法を履修する場合は、民事訴訟法について学習を終えていることが必要でしょう)

成績評価方法

科目試験によります。

参考文献

1)体系書
・伊藤眞『民事訴訟法(第8版)』(有斐閣、2023年)
・新堂幸司『新民事訴訟法(第6版)』(弘文堂、2019年)
・高橋宏志『重点講義民事訴訟法(第2版補訂版)(上)(下)』(有斐閣、(上)(下)2014年)
・松本博之=上野泰男『民事訴訟法(第8版)』(弘文堂、2015年)
2)判例
・高田裕成ほか編『民事訴訟法判例百選(第6版)』(有斐閣、2023年)
・各年度の重要判例解説(ジュリスト臨時増刊。近年は4月に刊行されています)の民事訴訟法に関する部分
3)コンメンタール(注釈書)
・菊井維大=村松俊夫原著・秋山幹男ほか著『コンメンタール民事訴訟法Ⅰ〜Ⅶ』(巻により版が異なる)(日本評論社、2006年〜)
・高田裕成ほか編『注釈民事訴訟法』(有斐閣、2015年~ 刊行中)
・加藤新太郎=松下淳一編『新基本法コンメンタール民事訴訟法1・2』(日本評論社、2017年~2018年)
・兼子一原著松浦馨ほか著『条解民事訴訟法(第2版)』(有斐閣、2011年)

レポート作成上の注意

 民事訴訟法の全般を理解した上で、レポートに取り組むようにしましょう。問題点を正確に把握して、論じるようにして下さい。判例の立場の説明に終始しているレポートがしばしば見受けられますが、それでは不十分です。自らの立場とその理由を明らかにして下さい。根拠となる条文・参考文献も必ず表記するようにして下さい。
 法律文献や判例の表記について、統一的なルールはありませんが、広く知られている基準として、法律編集者懇話会の「法律文献等の出典の表示方法」があります。この基準によることが望ましいです。これは、法教育支援センターHPに掲載されています。URLは次のようです。http://www.houkyouikushien.or.jp/katsudo/pdf/houritubunken2014a.pdf