慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
経済法(J)
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード T0EC002005

講義要綱

企業間の活発な競争は、価格の低下、品質・サービスの向上、顧客のニーズにあった商品の開発など、様々な利益を消費者にもたらす。経済憲法とも称され、経済法において中核的な役割を占める独占禁止法はこのような競争を維持し促進するための法律であって、カルテル、入札談合や企業結合などを規制している。本講義では、独占禁止法の主要規定(3条、19条、第4章(企業結合規制))に加えて、グローバル経済に伴う国際取引における独占禁止法上の諸問題を学ぶ。独占禁止法ないし競争政策の基本的な考え方を学ぶとともに、これらを具体的事例に応用する力を習得することがこの講義の目的である。

テキスト

岸井大太郎・大槻文俊・中川晶比兒、川島富士雄・稗貫俊文『経済法-独占禁止法と競争政策』(有斐閣、第9版補訂版、2022年)

テキストの読み方

経済法の中核的な役割を果たす独占禁止法は、経済憲法とも呼ばれ、経済活動に幅広く適用される。このため、独占禁止法の条文は多分に抽象的な規定となっている。テキストを読む際には、具体的な判審決等とともに読み進めることで、独占禁止法をはじめとする経済法が経済社会においてどのような役割を果たしているか理解できるように努め、経済法の知識を応用できるよう心掛けて頂きたい。

履修上の注意

他の科目を事前に履修することを必要とするものではない。

成績評価方法

科目試験による。

レポート作成上の注意

レポート作成に際しては、以下の4点について注意することを求める。


①課題の内容を正確に理解した上で、そこで問われている論点に関して整理し、課題に対する適切な解答になるようにレポートを作成する必要がある。


②論点に関連する判例・学説を十分に調査した上でレポートを執筆する必要がある。そのためには、教科書だけでなく、判例、参考文献、論文などを十分に調査する必要がある。


③判例・学説の検討を通じて、自分の見解とその理由付けを批判的な考察も踏まえて示せるようにする。


④参考にした先行業績があれば、出典を明記する必要がある。他人の先行業績の盗用は不正行為とみなされる。