講義要綱

この科目は、内政を中心としたアメリカ合衆国の政治史の概説で、植民地時代から現代までをバランスよく取り上げます。18世紀後半に制定された憲法が、27の修正を経ながらも今日でも有効であることからもわかるように、政治史の理解は今日のアメリカ政治を理解するのにも不可欠です。それだけでなく、ヨーロッパ世界の一辺境国として出発したアメリカが、19世紀半ばに凄惨な内戦を経験しながらも、20世紀に（超）大国として立ち現れるまでの過程は、それ自体極めて興味深いものです。科目テキストは市販書を用いますが、この科目の担当（経験）者によって、この科目のテキストとして使用することも意識して執筆されています。

テキスト

久保文明・岡山裕『アメリカ政治史講義』（東京大学出版会、2022年）

テキストの読み方

　この科目では、歴史的過去の政治について、出来事の流れを追うだけでなく、起きたことを政治学的な視角から分析することが強く意識されます。歴史を単に事実の羅列として捉えるのでなく、なぜあることが起きた・起きなかったのかを説明できるようになること、また短期的な動きだけでなく長期的な流れを把握することを意識して読むよう心がけてください。

履修上の注意

異なる時期の政治がどう作動するのかを理解するには、政治学の理論的考え方が役立ちますので、是非基礎を固めておいてください。

関連科目

地域研究・アメリカ政治（夜間スクーリング）

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

阿川尚之『憲法で読むアメリカ史（全）』（ちくま学芸文庫、2013年）
岡山裕『アメリカの政党政治――建国から250年の軌跡』（中公新書、2020年）
岡山裕・西山隆行編『アメリカの政治』第2版（弘文堂、2024年春刊行予定）
岡山裕・前嶋和弘『アメリカ政治』（有斐閣、2023年）
久保文明『アメリカ政治史』（有斐閣、2018年）
久保文明編『アメリカの政治』新版（弘文堂、2013年）
斎藤眞・古矢旬『アメリカ政治外交史』第2版（東京大学出版会、2012年）

レポート作成上の注意