科目名 | |||
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教育基礎論 | |||
科目設置 | 教職科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0F0001004 |
〔授業の到達目標及びテーマ〕
教師になるためには、教育とは何か、学校とは何かという本質的な問題に答えられなければならない。この授業では、教育がどのように考えられてきたのかを歴史的に理解ができ、学校の歴史的展開を踏まえて、子どもたちの安全を確保しながら、学校を地域などに開いていく今日の学校の課題を理解できるようになることを目標とする。
〔授業の概要〕
教育の定義がこれまでどのようにされてきたのかを理解し、「教育とは子どもを善くしようとする働きかけ」という共通理解の下、「子どもを善くする」ことに関わる教育モデルの展開、新しい教育モデルの探究を行う。また、教育モデルとの関わりで学校の歴史を理解するととともに、公教育としての学校の意義と課題を検討する。
〔授業計画〕
テキストに即して学修を指導する。テキストの構成は以下の通りである。(『教育の原理〔第四版〕』は一冊の内容すべてがテキストである。『現代社会と教育』については、以下に記載する章及びコラムをテキストとして指定する。)
○『教育の原理〔第四版〕』
序章 本書の特徴と構成
第1章 「教育」とは何か
Ⅰ 「教育」ということば
Ⅱ 教育の前提としての人間
Ⅲ 人間教育の原理─教育のパラドックス─
Ⅳ 「教育」と「宗教」「政治」
第2章 文化と教育のかかわり
Ⅰ 文化と教育
Ⅱ 文化・教科・カリキュラム
Ⅲ 文化と教育のかかわり
第3章 学校式教育と人間教育
Ⅰ 学校式教育の原理的性格
Ⅱ 近代学校の成立と展開
Ⅲ 国家と教育
Ⅳ 現代における学校の役割
第4章 何を教えるか
Ⅰ 教えることと学ぶこと
Ⅱ 教える内容と社会
Ⅲ 何を教えてきたのかの歴史とその背景の理論
Ⅳ 最近の学習指導要領
第5章 いかに教えるか
Ⅰ よい目的とよい方法
Ⅱ 教授活動の技能
Ⅲ 教授活動の評価
第6章 職業としての教師
Ⅰ 広義の教師・狭義の教師
Ⅱ 教員制度からみた教師像
Ⅲ さまざまな教師観
Ⅳ 現代教師の課題
終章 教育の「ふるさと」からの見直し
○『現代社会と教育』
第1章 変わる学校制度 [3-20頁]
1 学校の種類
2 高等学校の多様化と中等教育学校の設置
3 義務教育段階の学校改革
4 障害を持つ子どものための学校
5 これからの学校教育
第5章 教師教育改革の動向 [73-87頁]
1 戦後の教員養成の理念
2 現代の教師教育改革
3 養成されうる教師像からみた問題点
4 求められる教師
コラム② 教師の働き方 [88頁]
第7章 学校の危機管理と学校安全 [105-120頁]
1 学校安全への関心の高まり
2 学校安全のねらい,体系,領域
3 学校における安全教育
4 教育課程における安全教育
5 学校における安全管理
6 組織活動と学校安全計画の作成
7 学校安全をめぐる諸課題
第8章 地域と学校の連携――学校評価とコミュニティ・スクール―― [123-137頁]
1 地域と学校の連携の経緯
2 コミュニティ・スクール(学校運営協議会)とは
3 コミュニティ・スクールの特徴と今後の課題
第9章 子どもの生活をふまえた学校と家庭の連携 [139-154頁]
1 学校と家庭の連携が求められる背景
2 いまの子どもたちの家庭の状況
3 子どもの生活実態をふまえた家庭との連携の必要性
第10章 子どもの貧困と虐待――福祉と教育の連携―― [155-170頁]
1 子どもの貧困と教師の対応
2 家庭の貧困と児童虐待
3 子どもに関わる機関としての学校
4 福祉と教育はいかに連携しうるか
コラム③ 子ども食堂 [171頁]
第11章 義務教育と不登校 [173-188頁]
1 義務教育とは何か
2 不登校問題の経過と対策
3 就学義務がない子どもの教育機会の確保
4 すべての子どもの教育機会を保障するために
第14章 共生のための教育 [225-239頁]
1 なぜ共生が必要なのか?
2 共生に関わるさまざまな教育
3 共に生きる社会に向けた教育
コラム④ コロナ禍と学校教育 [240-241頁]
1)沼野一男・松本憲・田中克佳・白石克己・米山光儀『教育の原理〔第四版〕』学文社、2010年。
2)酒井朗編著『現代社会と教育』ミネルヴァ書房、2021年。
→『現代社会と教育』については、一冊をテキストとするのではなく、下記講義要綱の〔授業計画〕に記載する箇所をテキストとする。
・テキストは複数の執筆者が書いている。執筆者によって、教育に対する考え方に違いがある可能性がある。テキストを理解するとともに、批判的に検討することも必要である。
・『教育の原理[第四版]』刊行以降の学習指導要領の改訂や教育政策の動向については、文部科学省のウェブサイト等を参照すること。
「現代教師論」を履修していることが望ましいが、必須ではない。
「現代教師論」
レポートの合格を前提として科目修得試験によって評価する。
酒井朗編著『現代社会と教育』ミネルヴァ書房、2021年。(『現代社会と教育』のうち、講義要綱の[授業計画]においてテキストとして指定されていない箇所は参考文献とする。)
しっかりとテキストを読み、テキストを踏まえて、課題が何を要求しているかをよく理解した上で、レポートを作成すること。