科目名 | |||
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国語科教育法Ⅰ | |||
科目設置 | 教職科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0F0004801 |
〔授業の到達目標及びテーマ〕
国語科における教育目標、育成を目指す資質・能力を理解する。
学習指導要領に示された国語科の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深める。
様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付ける。
〔授業の概要〕
以下に示すテキストや、実際に教室で取り扱われている学習材を熟読し、国語の教員としての基本的な知識を身につけ、国語教育観を育みたい。まず、国語教員としての知識である国語に関する知識および国語の授業を展開するための知識を習得していく。そして、我が国の国語教育の歴史や伝統によって成り立つ普遍性と、学習者と教授者とが現代を生きるための資質や能力を発見し構築していく新しさと、両者がバランスをとって成り立つ国語教育観をじっくりと育んでいく。そのためには、「読む」・「書く」・「話す/聞く」を言語活動として十全に展開させる授業の工夫とICTの活用とは不可分であろう。
〔授業計画〕
自らの国語学習体験を思い出すことからはじまる。学習者である自分は国語の授業に何を求めていたのか、教室にただ居合わせていただけなのか、先生やクラスメイトにどのようにかかわりあっていたのか、国語の授業を教室にいる者すべてで担い合ってつくりだせていたのか、それらの具体的な体験を起点として、自ら国語の授業のあるべき姿について考え、身につけた知識と、育まれた国語教育観によって、学習者の顔を思い浮かべながら、学習指導案を作成できることを目的としている。指定教科書の構成は次の通りである。
序章 「国語科教育法」で何を学ぶか
1章 国語科の制度─学習指導要領と教科書
2章 発問・指示
3章 板書・ノート指導・ワークシート
4章 「話すこと・聞くこと」の授業
5章 「書くこと」の授業
6章 「読むこと」の授業
7章 言葉を育む詩歌の授業
8章 古典の授業─「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の扱い方と言語活動
9章 日中漢字文化を生かした漢字・語彙指導
10章 教室での豊かな交流活動─グループ学習の進め方
11章 国語科の評価
12章 指導計画・学習指導案の作成
13章 授業を研究して育つ教師─教えながら学び育つ教師
14章 国語教育におけるメディア・リテラシー ※ICTの活用を含む
15章 国語科教育の課題と展望
終章 効果的な教育実習のために
町田守弘(編著)『実践国語科教育法─「楽しく、力のつく」授業の創造(第三版)』学文社、2019年
テキスト各章に設けてある[課題]に自分の言葉で記述してみることが肝要であり、「レポート課題」には必ずその成果が現れてこよう。生徒が自ずと楽しくなる授業を教員として組織化するには、言うまでもなく、生徒以上に教員自らが、先人の解釈や創造的な授業開発に心動かされていなくてはならない。テキストを熟読して得られる授業への期待があってこそ、後々、模擬授業や教育実習において出会う生徒の好奇心を刺激するのである。
言葉の教育において、学習者は言葉によって他者との関係性を深めていく。テキスト科目は、テキストを読み課題に答えるという一見すると単調な学習になりがちであるが、深い自己内対話がそこには生じる。テキストに触発された瞬間からそれ以前の自己は他者として自分から切り離されていく。そういう自己更新(更深)のサイクルを感じ取って学習を進めてほしい。
レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。
教材研究と授業計画とは別々に進められるものではない。この課題レポートを書き進めていけば、自ずとその二者がどのような過程で有機的に統合していくのかの記録になる。まずは読者として教材に向き合った「経験」、その経験を生徒にも強要する正当性はあるのかという「葛藤」、そして、その教材を教員として生徒に教えるという行為はどうあるべきかという「熟慮」というように、指定の教材が授業として成立していくには「過程」があるのだ。この「経験」→「葛藤」→「熟慮」の「過程」が実感できるように、受け売りの言葉ではない、自らが獲得した言葉で記述してほしい。