科目名 | |||
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社会科・地理歴史科教育法 | |||
科目設置 | 教職科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 単位 | 3 | |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0F0002802 |
現行教育制度がスタートした昭和22年から、小学校、中学校、高等学校における教科目として社会科が学ばれるようになった。この教科はその後、平成元年の学習指導要領改訂から高等学校では地理歴史科と公民科へ移行したことにより、中等教育の教員免許取得においては、中学校教諭においては「社会」、高等学校においては「地理歴史」と「公民」の三免許体制となった(国語や数学その他は二免許)。そのことはとりもなおさずこの教科の特殊性であり、社会科の成立やその後の変化、どういった教育が行われようとしたのかを理解する必要がある。
この理解の上に立って、では中高生に社会認識を深めさせていく教育とはいかなるものが考えられるのか。そのひとつが「地理歴史」を通じて、地理的な空間認識を学ぶことと歴史的な時間(歴史)認識を学ぶことであり、こうしたことは事実に即して具体化させたものでしか教育的効果は期待できないのではないだろうか。社会科・地理歴史科教育法を学ぶにあたって自らどのような教育(授業)が行えるか模索してもらいたい。
森茂岳雄・大友秀明・桐谷正信編著『新 社会科教育の世界 歴史・理論・実践』梓出版社、2014年。
文部科学省『中学校学習指導要領解説 社会編』。
文部科学省『高等学校学習指導要領解説 地理歴史編』。
※『学習指導要領解説』は、廉価で市販されているが、文部科学省ホームページからダウンロードもできる。
日本における「社会科」の成立とその後の社会科の変化について、理解を深めてもらいたい。そのため、各時代ごとに学習指導要領の変更がどのようになされたか、その経緯を順を追って学んでほしい。また、それぞれの時代ごとにどういった学習方法がテーマとなっていたのかについても、しっかりテキストを読んで学んでほしい。
指定テキストのみならず、参考文献についても関連個所については目を通してほしい。
科目試験による。
日本社会科教育学会編『社会科教育事典(新版)』ぎょうせい、2012年
全国社会科教育学会編『社会科教育実践ハンドブック』明治図書出版、2011年
以上2点は書店で手に入るもの。以下2点は絶版のもの。
勝田守一『戦後教育と社会科』(勝田守一著作集1)国土社
上田薫『問題解決学習の本質』(社会科教育著作集1)明治図書出版
テキストとしてあげたもの以外に上記の文献が参考となる。図書館などで閲覧してもらいたい。
また、教育実習などで実際に授業を行う際や教員採用試験の勉強のために『中学校学習指導要領解説─社会─』『高等学校学習指導要領解説─地理歴史編─』を購入し、現在の社会科及び地理歴史科の教科の目的や目標、指導上の留意点なども理解を深めてほしい。
1について:社会科教育における問題解決型学習と系統学習は、一大論争を巻き起こしたものである。参考文献にあるもののほか、『梅根悟教育著作選集』(全8巻、明治図書出版、1977年)の中から、勝田守一との社会科論争をとりあげ、検討してみるのがよい。
2について:学習指導案の作成については、明確な基準といったものはなく、皆さんが教育実習に参加される学校や教育委員会ごとに作成の様式が異なっている。ここでは、テキスト本の中にある事例の中から最も授業を表現しやすいものを選んで作成してもらいたい(「第6章 授業づくりと学習指導案の実際」)。学習指導案は、実際に授業に臨まなくともどういった授業であったか復元することが可能となるものであり、なによりも生徒の学習する内容を明確にし授業前に構想したものと授業後の反省を可能とするものである。そうしたことから、作成においては、十分な説明を加えた文章にしてほしい。なお、国の基準である学習指導要領も参考にしてほしい。