慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
社会科・公民科教育法特論Ⅱ
科目設置 教職科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード T0F0003102

講義要綱

戦後新たに誕生した社会科をめぐっては、いわゆる「問題解決学習」と「系統学習」や、「教育と生活の結合」と「教育と科学の結合」との間で議論が戦わされた。それぞれの主張にはともに戦前の学校教育への反省や当時の社会構造把握が背景としてあり、とうてい単純な二項対立図式で説明しきれるものではない。しかし安易に両者の「統合」「止揚」を試みると、問題が教育方法の好みに矮小化され、「子ども」や「人間」理解までをも射程に入れたこれまでの議論の蓄積や優れた実践の到達点を台無しにしかねない。
 そこで本講義では、教育方法の流行り廃りに惑わされず社会科の授業づくりを構造的に捉える第一歩として、「教師のねらいの明確化=教科内容研究」と、「子どもたちの論理の明確化=現代の子ども研究」の在り方を考えるものである。その成果をどのように「統合」「止揚」するかは、各位の努力に期待したい。
 なお、指定テキストの構成は以下のとおりである。
 第1章 教育課程における公民教育
 第2章 中学校社会科公民的分野の年間指導計画と学習指導案作成
 第3章 高等学校公民科「公共」の年間指導計画と学習指導案作成
 第4章 高等学校公民科「倫理」の年間指導計画と学習指導案作成
 第5章 高等学校公民科「政治・経済」の年間指導計画と学習指導案作成
 第6章 公民教育における学習指導の工夫

テキスト

日本公民教育学会編『新版テキストブック公民教育』第一学習社、2019年

テキストの読み方

テキストは特定の見解に基づいて執筆されている。そのため、筆者がその他の著書や論文等でいかなる主張を展開してきたかを把握することが極めて重要である。内容を要約するだけでは、テキストを読解したことにはならない。

履修上の注意

テキスト脚注の参考文献も手掛かりにしながら、テキストの内容とは矛盾・対立する問いを自らたて、解決しようとすることが求められる。これは教師が子どもたちに求める学習そのものであり、それを導こうとするならば、まず我々が自らの学究のありかたを省察することが求められる。

関連科目

履修者が関連すると考えるすべての科目。

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

①谷川彰英『戦後社会科教育論争に学ぶ』明治図書出版、1988
②中西新太郎『若者は社会を変えられるか?』かもがわ出版、2019
③マックス・ウェーバー『職業としての学問』尾高邦雄訳、岩波書店、1999
④内田義彦『読書と社会科学』岩波書店、1985
⑤山田規雄『子どもに学ぶ社会科の授業づくりー試論ー』三恵社、2019
⑥日本公民教育学会編『公民教育事典』第一学習社、2009
⑦文部科学省『中学校学習指導要領』『高等学校学習指導要領』
 (学習指導要領およびその解説は、文部科学省のホームページからダウンロードが可能。)

レポート作成上の注意

参考文献①~④は必読。⑤については書店等で販売されていないため、レポート提出後、講評とともに購入方法を案内する。