科目名 | |||
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英語科教育法Ⅰ | |||
科目設置 | 教職科目 | 授業形態 | テキスト科目 |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | - | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | T0F0005201 |
〔授業の到達目標及び概要〕
将来、英語教師を目指す者を対象に、中学校及び高等学校における外国語(英語)の学習・指導に関する知識と授業指導及び学習評価の基礎を身につけさせることを授業の全体目標とする。各授業の到達目標は、中学校及び高等学校の外国語(英語)の学習指導要領と教科書についての理解、小学校の外国語活動・外国語科の学習指導要領と教科書等についての理解及び小・中・高等学校を通した英語教育の在り方の基本について理解することである。さらに、上記の理解に基づいて、実際の指導に生かすことができるような英語力を養うことも授業の到達目標である。
〔授業の概要〕
内容としては、英語科教育法の理論的側面(目的論、カリキュラム論、教材論、学習者論、教授法、評価法など)や、英語科教育法の実践的側面(教育実習への準備として、学習指導案の書き方、4技能5領域(「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」)の指導・文法・語彙・ITの活用など)を対象とする。
〔授業計画〕
指定テキストの構成は以下の通りである。
第1章 英語教育の目的 Purposes of English Education
1 グローバル社会と英語
2 日本の英語教育史
3 現在の英語教育政策
第2章 英語教師論 Becoming a Good
Language Teacher
1 求められる資質・能力
2 授業実践上の課題
3 教師の成長
第3章 学習者論 Becoming a Successful
Learner
1 学習者要因
2 学習ストラテジー
3 学びのトレーニングの必要性
第4章 言語習得と言語教育 Language
Acquisition and Language Teaching
1 第一言語習得
2 第二言語習得
3 第一言語習得と第二言語習得を比較する…外国語教育の視点から
4 英語教育のここを疑ってみよう
第5章 教授法 Ways of Teaching
1 教授法に関する言葉の定義
2 意識的な文法理解
3 無意識に使えるまで繰り返す
4 コミュニケーションによる第二言語習得
5 学習者をリラックスさせよ
6 学習の焦点はどこにあるのか
第6章 学習指導要領 The Courses of Study
1 学習指導要領とは何か?
2 現行学習指導要領の要点
3 何を教えればよいのか?
第7章 リスニング指導 Teaching Listening
1 リスニングとは何か?
2 リスニング指導の目標
3 リスニングの指導過程
4 リスニング指導のアクティビティ
5 上手な聞き手とは
第8章 スピーキング指導 Teaching Speaking
1 スピーキングとは何か
2 スピーキング指導の目標
3 教室でのスピーキングのタイプ
4 スピーキング指導の具体例
5 上手な話し手とは
第9章 リーディング指導 Teaching Reading
1 リーディングとは何か?
2 リーディング指導の目標
3 リーディングの指導過程
4 リーディング指導のアクティビティ
5 上手な読み手とは
第10章 ライティング指導 Teaching Writing
1 ライティングとは何か?
2 ライティング指導の目標
3 文字と単語
4 英文を書く
5 パラグラフを書く
6 上手な書き手とは
第11章 4技能と音声・語彙・文法指導
Teaching the Sounds, Words, and Grammar for the Four Skills
1 コミュニケーション能力
2 4技能のための音声指導
3 4技能のための語彙指導
4 4技能のための文法指導
5 定型表現とやりとりの仕方の指導
第12章 教材研究 Materials Development
1 教材内容の研究
2 指導方法の研究
3 教材の評価
第13章 指導案 Lesson Plans
1 2種類の指導案
2 指導案に書くべきこと
3 指導案作成で心がけるべきこと
第14章 ティーム・ティーチング
Team Teaching
1 Team Teachingの基礎知識ときまり
2 JTLとALTの役割
3 ALTとの人間関係
4 TTの授業の実際
5 TTの3Rs(Rules, Roles, and
Relationships)と教師の成長
第15章 評価とテスト
Assessment and Testing
1 評価に関する用語の定義
2 さまざまな評価とテスト
3 テスト作成の条件
4 4技能の評価
5 筆記テスト以外の評価
第16章 教育実習 Teaching Practicum
1 教育実習の意義と目的
2 教育実習ですべきこと
3 教育実習の心構え
第17章 今後への展望 Outlook on English
Education in Japan
1 英語教育の今後への展望
2 英語教師に求められる資質能力とは何か?
岡田圭子他(2015)『基礎から学ぶ英語科教育法』松柏社
教育現場における実践を意識しながら、理論と実践の両面から英語教育学の「基本」を学んでほしい。特に、目的論・カリキュラム論・教材論・学習者論・教授法・評価法・4技能5領域については、理解を深めてもらいたい。
履修上の条件は特に無いが、教職に関する科目(教育心理学・教育方法論・学校カリキュラム論などに関連する科目)や、教科に関する科目(英語学・言語学・英米文学・比較文学などに関連する科目)等と同時ないしはそれらの科目の単位修得後に履修することを勧める。
「履修上の注意」参照。
課題レポート及び科目試験の結果によって評価する。
文部科学省『小学校学習指導要領』
文部科学省『中学校学習指導要領』
文部科学省『高等学校学習指導要領』
文部科学省『小学校学習指導要領解説ー外国語活動・外国語編』
文部科学省『中学校学習指導要領解説─外国語編─』
文部科学省『高等学校学習指導要領解説 外国語編・英語編』
文部科学省 国立教育政策研究所『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 小学校ー外国語・外国語活動』
文部科学省 国立教育政策研究所『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 中学校ー外国語』
文部科学省 国立教育政策研究所『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 高等学校ー外国語』
(なお、上記の学習指導要領については、最新版を入手するか文部科学省のホームページから最新版をダウンロードすること)
浅羽亮一他著『わかりやすい英語教育法〔改訂版〕小中高での実践的指導』三修社、2013年
JACET SLA研究会編著『第二言語習得と英語科教育法』開拓社、2013年
三浦省五・深澤清治編『新しい学びを拓く英語科:授業の理論と実際』ミネルヴァ書房、2009年
望月昭彦編『改訂版新学習指導要領にもとづく英語科教育法』大修館書店、2010年
村野井仁『第二言語習得研究から見た効果的な英語学習法・指導法』大修館書店、2006年
土屋澄男編著『新編英語科教育法入門』研究社、2011年
(以上の参考書については、改訂されている場合は、新学習指導要領に基づくものを利用すること)
課題1の学習指導案は英語で書くこと。テキストや英語教育関連の書籍及び英語の辞書等を参考にしながら、作成してほしい。また、学習指導案とともに、学習指導案に該当する中学校または高等学校の検定教科書の本文並びに指導する上での資料等も添付してもらいたい。