科目名 | |||
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近代思想史 | |||
担当教員名 | |||
篠原 洋治 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 12416 |
近代社会を国家によって管理された市場経済に基づく市民社会と捉えることには、さほど異論はないだろう。多くの留保を必要とするものの、少なくとも先進諸国では自由で平等な社会が少なからず実現されてきた。しかし他方で近代は、「労働」を管理する権力が著しく発展し、社会の隅々まで浸透してきた時代であり(フーコー)、また、諸個人の「欲望」が、市場や科学的言説によってコントロールされている時代である(ドゥルーズ、ガタリ)。この意味で、18世紀以降、人類の知識の発展とともに諸個人の自由・自立をめざした啓蒙のユートピアは、逆に自由を抑圧するある種のデストピアに陥っているといえないだろうか。本講義では権力の視座から「労動」と「欲望」の概念の再検討を通して、近代という時代の特殊性を浮き彫りにすると同時に、その諸問題の淵源を考察していく。
第1回講義内容
アレントの全体主義批判
第2回講義内容
アレントによる労動、仕事、行為の分類
第3回講義内容
トマス・モアの 『ユートピア』 における労働
第4回講義内容
宗教改革における労働観の転換(ヴェーバー)
第5回講義内容
経済学の誕生と労働 (ロック、スミス)
第6回講義内容
啓蒙と労働の新しい意味付け (ヘーゲル)
第7回講義内容
労働と規律訓練権力 (フーコー)
第8回講義内容
福祉国家の生誕と生命権力(フーコー)
第9回講義内容
奢侈批判のユートピア(フェヌロン、ルソー)
第10回講義内容
奢侈の肯定と経済的自由主義(マンデヴィル、ヒューム、スミス)
第11回講義内容
フーリエのユートピアー情念の解放と労働、家族
第12回講義内容
資本主義社会における欲望と権力(ドゥルーズ、ガタリ)
その他の学習内容
・ 参考文献や授業で紹介した本を読むなど、各自、関心に基づいて勉強して下さい。
授業参加の積極性、最終レポートにより総合的に評価します。
プリントを適宜配布する
全講義のレジュメ・資料を最初の授業で配布します。補足資料があれば適宜授業時に配布します。
社会思想の歴史/坂本 達哉 名古屋大学出版会 2014
人間の条件/ハンナ・アレント ちくま学芸文庫 1994
監獄の誕生/ミシェル・フーコー 新潮社 1977
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/マックス・ヴェーバー 岩波書店 1988
授業時に質問をするなど積極的に参加してください。