慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
自然科学概論
担当教員名
矢﨑 裕規
科目設置 総合教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 3分野科目/自然科学分野 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード 12448

授業科目の内容

本年の自然科学概論では、生物学における重要なトピックである「進化・多様化」を基軸として、基礎的な生物学知識から最先端の研究に至るまでを俯瞰したい。
地球上に生命が誕生してから三十数億年の年月が経て、現在のような“多様な”生物種相を構成している。植物、キノコ、昆虫などが多様な姿かたちを持っていることからもわかるように、生物たちの形態の多様性は計り知れない。その多様性の高さは形態だけではなく、その生息圏や生活様式にもわたっている。このような多様性の獲得は、ひとえに“進化”によるものである。一方で、現存する生物を大別するとバクテリア(細菌とも)、アーキア(古くは古細菌)、真核生物にの3つとなると考えられている。本概論では、その中でも我々を含み、比較的なじみの深い真核生物を主に取り扱う。真核生物の多様性においては、目で見ることのできる生物の美しさや奇怪さから多細胞生物の植物や動物の多様性に注目が集まりがちである。しかし、多細胞生物はごく限られた生物のグループにしか存在しておらず、真核生物全体を俯瞰した場合に、その構成する生物の大半は単細胞でかつ微細な生物である。つまり、言い換えれば単細胞真核微生物の多様性は真核生物全体の多様性に近しいと言っても過言ではない。そこで、単細胞真核微生物の“様々な多様性”を通して、生物の進化がどのようなものであるのか、その進化によってどのような生物が現存しているのか、また生物学での進化研究とはどのようなものなのかを紹介する。
加えて、本講義では銀行員から生物学の研究者へと職種からなにから大きく転身した私の経験も伝える予定である。それを通して一般的な社会と研究者社会の違いや近さを知ってもらうことも目的とする。
また、講義内容は適宜変更されることがある。

第1回講義内容
真核生物がもつ細胞構造ー生物の単位となる細胞構造

第2回講義内容
真核生物がはどのようにして生じたのかーオルガネラ進化

第3回講義内容
真核生物がはどのようにして生じたのかー共生系について

第4回講義内容
真核生物がはどのようにして生じたのかー共生系について2

第5回講義内容
真核生物のゲノミクスー配列の進化

第6回講義内容
真核生物のゲノミクスー代謝の多様性

第7回講義内容
大規模な進化はどのように起こったのかー真核生物の誕生

第8回講義内容
大規模な進化はどのように起こったのかー多細胞化

第9回講義内容
真核生物の進化・多様化ーどのような生物のグループが存在するのか

第10回講義内容
進化研究はどのように行うのか

第11回講義内容
人とのかかわりー進化研究およびその成果の実社会への転用

第12回講義内容
総括として、これまでの講義を振り返りを目的としたテストを実施する。

その他の学習内容
  ・小テスト

成績評価方法

出席(毎回の小テストを出席の代わりとする予定)および最終回に実施する予定の総括テストを加味して評価。
毎回の小テストに関しては、インターネットを介したフォームでの回答を予定しています。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

基本的に毎回の小テストに関してはインターネット上でのフォームによる提出を想定しています(インターネットにアクセスが難しい場合は個別対応を検討します)。

講師の実務経験※実務家としての経験があり、その知見が授業に反映されている場合に、「あり」と表示されます

あり