慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
西洋美術史
担当教員名
細野 喜代
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 第1類 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 -
設置年度 2024 授業コード 52409

授業科目の内容

本講義は、古代ギリシアから19世紀後半に至るまでの西洋の絵画、彫刻、建築、工芸などの美的創作物を扱います。美術史は、作品を歴史の中に位置づけることから始まります。そのため、各時代の傑作を取り上げ、様式の変遷を中心に解説します。あわせてイコノグラフィー(図像学)の知識を身につけ、近代に至るまで大部分を占めていた歴史画(宗教画、神話画、古代史画、寓意画)の主題とその表現内容を理解します。加えて、それぞれの作品が制作された各時代、各地域特有の社会的、文化的背景についても説明します。19世紀になるまで絵画や彫刻のほとんどは注文制作であり、作品の主題や表現には注文主の意向が反映され、あらかじめ設置場所も決まっていました。そこで各作品が持っていた固有の意味内容や機能を検証します。さまざまな技法についても紹介します。最近の修復や保存、科学的調査の結果にも言及します。高画質のパワー・ポイントや動画を用いて名作を一つ一つ丹念に鑑賞しながら、ディスクリプション(作品叙述)を行います。これらのことを通して、西洋美術作品に関して適切な知識と鑑賞能力を習得するとともに、西洋文化について教養を身につけます。

第1回講義内容
イントロダクション

第2回講義内容
古代ギリシア美術/古代ローマ美術

第3回講義内容
初期キリスト教/ビザンチン/初期中世美術

第4回講義内容
ロマネスク/ゴシック美術

第5回講義内容
イタリア・ルネサンス美術①

第6回講義内容
イタリア・ルネサンス美術②

第7回講義内容
ヴェネツィア派/マニエリスム

第8回講義内容
バロック美術

第9回講義内容
ロココ美術/新古典主義/ロマン主義/写実主義

第10回講義内容
アカデミズム/印象派

第11回講義内容
後期印象主義/象徴主義

第12回講義内容
試験、総括

その他の学習内容
  ・小テスト

成績評価方法

最終日の授業内試験により判断します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

『新西洋美術史』/千足伸行監修 西村書店 1999年
『増補新装 カラー版西洋美術史』/高階秀爾監修 美術出版社 2002年
『西洋美術解読事典 絵画・彫刻における主題と象徴』/ジェームズ・ホール著、高階秀爾監修 河出書房新社 2021年

受講上の要望、または受講上の前提条件

予習として、各日の学習する配布資料の該当箇所を事前に読んでおくこと、復習として、その日に学んだことやポイントをノートや配布資料をもとに整理しておくこと、それぞれ90分程度かかることが想定されます。