慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
日本史特殊
担当教員名
藤本 誠
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 夜間スクーリング
科目種別・類 第2類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 経済学部「日本史特殊」として開講、法学部「日本史特殊」として開講
設置年度 2024 授業コード 52431

授業科目の内容

本講義では、これまでの日本古代史研究において、殆ど研究がなされてこなかった古代日本における仏教説話集の成立と、その後の展開について講義を行う。まず日本最古の仏教説話集『日本霊異記』が、何故平安時代初期(九世紀)に成立したのか、宗教書としてどのような歴史的特質をもつのかという側面について考察する。つぎに、その後に成立した『日本感霊録』・『三宝絵』・往生伝・験記など、平安後期(十二世紀)に至るまでの仏教説話集の成立が、いかなる歴史的背景をもつのかという点について考察をしていきたい。かつて仏教説話集などの史料は、文学作品・二次史料として扱われる風潮があったが、現段階では、出土文字資料や文献史料との比較研究も含めた研究の方法論の進展により、史料的価値が高まっている。パワーポイントを用いて丁寧に解説していくことにより、日本古代史研究における、古代仏教説話研究の最前線についての理解を深めてもらいたい。

第1回講義内容
イントロダクション

第2回講義内容
古代日本の書物受容と日中の仏教説話集Ⅰ

第3回講義内容
古代日本の書物受容と日中の仏教説話集Ⅱ

第4回講義内容
『日本霊異記』の成立とその背景

第5回講義内容
『日本霊異記』の仏教的世界観

第6回講義内容
『日本霊異記』の冥界説話と中国仏教説話

第7回講義内容
『日本霊異記』にみえる女性と社会

第8回講義内容
『日本感霊録』の成立と寺院社会

第9回講義内容
『三宝絵』の成立と文人貴族

第10回講義内容
『三宝絵』にみえる女性観

第11回講義内容
往生伝の成立とその背景

第12回講義内容
『法華験記』の成立とその背景

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・小テスト

成績評価方法

出席・受講姿勢・授業でのミニレポートとリアクションンペーパー及び試験またはレポートにより総合的に評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

日本古代史または宗教史に関心のある学生の履修を希望します。なお授業の冒頭では、適宜古代史の理解を深めるために、古代史跡・寺院・神社の紹介をすることがあります。