科目名 | |||
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民族学 | |||
担当教員名 | |||
梅村 絢美 | |||
科目設置 | 文学部専門教育科目 | 授業形態 | 秋期週末スクーリング |
科目種別・類 | 第2類 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 52437 |
この授業では、民族学・文化人類学に関する複数のトピックスを挙げ、民族誌で描かれる事例や講師の調査経験とともに紹介します。これをふまえ、受講者自身が前提とする「ものの見方」を相対化し、他者との具体的交渉を通じて自己を理解するという文化相対主義・関係論的アプローチを習得することを目指します。この過程から、支配的な価値・言説にとらわれることなく、他者との対称的かつ具体的な関係構築に根差したコミュニケーションの技法を身につけることを最終的な到達目標とします。
第1回講義内容
フィールドワークと民族誌:人類学者の仕事
第2回講義内容
スリランカ伝承医療との出会い(フィールドワーク紹介)
第3回講義内容
文化相対主義:他者とともに生きるための手がかり
第4回講義内容
言葉と認識:母語が違うと世界が違って見えてくる?
第5回講義内容
ケガレとタブー:「汚さ」の正体はいったい何?
第6回講義内容
ケガレと吉祥:南アジアにおける女性のライフサイクルと身体
第7回講義内容
贈与交換と絆:社会をつくる経済活動
第8回講義内容
布施が支える社会福祉:スリランカ仏教寺院における贈与と功徳
第9回講義内容
不幸の説明と呪術:科学や医学が発達しても占いやお守りがなくならないのはなぜだろうか?
第10回講義内容
癒しと呪術:スリランカの悪魔祓い
第11回講義内容
ジェンダー:「振る舞い」としての「男」と「女」
第12回講義内容
他者が内在する自己、他者によって生かされる自己:「私」の境界はどこにある?
その他の学習内容
・課題・レポート
各回の授業内で作成・提出する小レポートおよび課題レポート(開講期間終了後に提出)により総合的に評価します。
購入する必要はありませんが、以下の文献を読んでから受講すると、より理解が深まるでしょう。
・ジェイムズ・ピーコック著『人類学と人類学者』岩波書店、1988年。
・クロード・レヴィ=ストロース『レヴィ=ストロース講義:現代世界の人類学』平凡社、2005年。
・出口顯著、『レヴィ=ストロース:まなざしの構造主義』河出ブックス、2012年。
・ティム・インゴルド『人類学とは何か』亜紀書房、2020年。
・松村圭一郎ほか著『文化人類学の思考法』世界思想社、2019年。
民族学・文化人類学は、他者を理解することを通じて、自分自身をより深く理解する学問です。講義中に紹介するさまざまな地域の事例を、受講生自身の身近な経験に引き寄せ重ね合わせて思考するよう心がけてください。質問は授業内で受け付けます。積極的に質問してください。