慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
計量経済学
担当教員名
田中 辰雄
科目設置 経済学部専門教育科目 授業形態 夜間スクーリング
科目種別・類 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 法学部「計量経済学」として開講
設置年度 2024 授業コード 62408

授業科目の内容

計量経済学の基礎を講義する。基礎的分析手法を確実に身につけるためのトレーニングを行う。2回に1回はパソコンを使って演習を行い、受講生はデータを読み込み、回帰分析を走らせるという作業を自ら行うことになる。統計解析のためのソフトは、Rを使う予定である。使い方は演習で説明する。
 前提とする知識は、統計学の検定の知識だけである。検定の説明は講義中に行うが、できれば「有意水準5%で検定する」という表現の意味が分かっていることが望ましい。講義の中で数式で説明した事は、そのあとグラフで補完して直感的な理解が得られるように工夫するので、数式の苦手な諸君も意欲さえあれば理解できるであろう。ただし、自分でパソコンを操ることを厭わないという決意だけはしておいていただきたい。成績はレポートを中心につけ、試験で補完する
 講義は教室で対面で行い、演習の際は各自が持ち込んだノートパソコンを使う。自分のノートパソコンを持ち込む事を前提とすることに留意されたい。エクセルと統計ソフトRを使うので、パソコンにはエクセルをインストールしておくこと。Rは講義の時にインストール方法を指示するが、できる方は事前にインストールしておいてもらえるとありがたい。
 計量分析は経済理論の実証という意味もあるが、それ以外に実世界に出てから使う場面が多い手法なので、この機会に是非覚えておく事をおすすめする。景気予測、売上予測、マーケティング、コンサルティング、政策評価などの分野で計量分析が使われることは多い。ビジネスで使う人はもちろんのこと、将来留学を考えている人、国際機関に出て働きたい人も学んでおいて損はないだろう。「数字に強い」というのは将来の諸君の大きなセールスポイントになる。

第1回講義内容
最小2乗法の入門

第2回講義内容
最小2乗法の計算例、決定係数

第3回講義内容
Rでの回帰の練習

第4回講義内容
最小2乗法の理論的背景 不偏性・効率性・一致性

第5回講義内容
古典的仮定、ガウスマルコフ定理、t値、p値

第6回講義内容
重回帰の意味、実データでの演習 

第7回講義内容
多重共線性、相関と因果 実データでの演習(2回目) 

第8回講義内容
ダミー変数の使い方 

第9回講義内容
構造変化

第10回講義内容
因果判定のためのDID

第11回講義内容
課題レポートの解説

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・要望があればエキストラの補講を行う

成績評価方法

課題レポートを中心に使える。授業内試験で補完する

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

テキストは使わず、教室での説明で行います。
参考文献は教室で指示します。

参考文献

教室で指示する

受講上の要望、または受講上の前提条件

パソコンで演習を行うのが中心になります。毎回必ずパソコンを持参してください。
エクセルとRを使います。エクセルのインスト―ルをしておいてください。Rは無料でダウンロードできます。Rのインストール方法は教室で指示し、授業後のエキストラの時間で実際にインストールまで行いますが、パソコンに慣れた人は自分でインストールしてもらうと助かります。