科目名 | |||
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経済地理 | |||
担当教員名 | |||
花島 誠人 | |||
科目設置 | 経済学部専門教育科目 | 授業形態 | 夜間スクーリング |
科目種別・類 | 単位 | 2 | |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | 文学部「人文地理学」として開講、法学部「経済地理」として開講 |
設置年度 | 2024 | 授業コード | 62433 |
この講義では、経済地理学の概念枠組を理解し、基礎的な理論と分析手法を知ることによって、現実の社会・経済的課題に取り組むための経済地理的視点を学ぶことを目的とする。
地理学は、地表に生起する事象(地理的事象)に関する学問である。経済地理学は、その中でも特に人間の経済行動に焦点を当てた分野であり、経済学はもちろんのこと、社会学、経営学、歴史学、行動科学、情報学など多様な学問とクロスオーバーする広い領域を対象としている。特に近年は、地理情報システム(GIS)をはじめとする高度な情報ツールを誰もが容易に利用できるようになり、社会・経済的課題に対して空間的視点からアプローチが試みられるようになってきている。また、近年は地球観測衛星による多様なデータや人流・物流に関するリアルタイムデータなどの活用も急速な発展をみせており、地理学はそれらの取組における理論的バックグラウンドとして、重要な役割を担っているといえるだろう。
講師は、国の研究機関の研究員として、実際の大規模自然災害において地理学的手法を適用して災害対応を支援する業務に従事しており、理論だけでなく地域統計データや地理空間情報の基礎知識と使い方、先端的な地理情報科学の手法などについて、具体的な事例をあげながら、受講者が学業や業務における課題に対して地理学的な視点と科学的手法により取り組めるようになることを目標とする。地理や防災に関心のある方だけでなく、地域行政、エリアマーケティング、都市計画、環境システムなどに関心のある方の役に立つ授業を実施する。
第1回講義内容
「イントロダクション」
本講義の概要と経済地理学のフレームワーク(概念枠組)について述べる。
第2回講義内容
「経済地理学の理論と方法」
地理学の成り立ち、よく知られている理論の概要、現代における方向性などについて学習する。
第3回講義内容
「日本の地理空間情報」
主に地図に焦点をあてて日本の地理空間情報の概要を紹介し、その利活用の方法について学習する。
第4回講義内容
「日本の地域統計情報」
日本の公的統計の全体像を概観し、地理学の学習・研究に不可欠な地域統計情報の概要、入手方法などについて学習する。
第5回講義内容
「地理情報分析の基礎①」
地域統計情報を用いて、地理学的分析を行うための理論的基礎について学習する。
第6回講義内容
「地理情報分析の基礎②」
実際のデータを用いて、地域統計情報を用いた地理学的分析の初歩を学習する。
第7回講義内容
「地理学と地理情報システム(GIS)」
地理学から地理情報科学への学問的展開を概観し、地理情報科学と不即不離の関係で発展してきた「地理情報システム」の成り立ちと今日のあり方について学習する。
第8回講義内容
「地理学と地球観測技術」
地球観測技術に関する基礎的知識と、それらの技術がもたらす様々な情報と地理学の関わりについて学習する。
第9回講義内容
「自然災害と地理情報科学①」
大規模な自然災害に対して地理学が果たし得る役割について、実際の災害事例を参照しながら学習する。
第10回講義内容
「自然災害と地理情報科学②」
防災における地理空間情報の役割、地域防災における地理学的方法の活用等について学習する。
第11回講義内容
「歴史地理学への招待」
歴史的事象を地理的視点から研究する歴史地理学について、講師の専門である近代日本における研究事例を紹介する。
第12回講義内容
「まとめにかえて:地理学と地球社会」
今期講義を振り返り、地理学が現代社会において果たすべき役割について考察する。
その他の学習内容
・課題・レポート
出席状況、課題レポートにより評価する。
プリントを適宜配布する
通信テキスト「人文地理学」武山政直・松原彰子(編著)、杉浦章介・河端瑞貴・花島誠人(著)を入手することを推奨する。
プリントの配布には、慶應ポータルのBox(ファイル共有サービス)を使用する予定なので、アクセスできるように準備されたい.
『人文地理学』/彰子(編著)、杉浦章介・河端瑞貴・花島誠人(著)武山政直・松原 通信テキスト 2019年、文学部・経済学部・法学部Ⅱ年度配本
『グローバル化時代の人文地理学』/小林茂・宮澤仁 放送大学教材、NHK出版 2012年
『自然地理学 第6版:地球環境の過去・現在・未来』/松原彰子 慶應義塾大学出版会 2020年
『立地と空間(上・下)』(2001年改訂版)/ピーター・ディッケン/ピーター・E・ロイド 古今書院 1997年
講義の中でインターネット上の情報リソースに言及することが多いので、インターネットにアクセスする手段を有していること、一般的なインターネットやWEBサイト関連の用語やコンピュータに関する基本的な知識があることが望ましい.
また、文章作成ソフト(Microsoft Wordなど)を使ってレポートを作成できることが望ましい。
あり