慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
法制史
担当教員名
小石川 裕介
科目設置 法学部専門教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 甲類・乙類 単位 2
キャンパス 日吉 共通開講学部 文学部「日本史特殊」として開講、経済学部「法制史」として開講
設置年度 2024 授業コード 72420

授業科目の内容

本講義では、近現代の日本法の歴史について学びます。日本の法は、古代から外国法の影響を受けて形成されてきました。もちろんその影響関係の強弱は時代によって異なりますが、特に本講義が中心的に扱う近代期以降については、「明治時代になって日本は西洋式の法を導入しました」と要約されることが多いでしょう。そのように言うだけならば事は簡単ですが、しかし実際には数多くの困難がありました。西洋と日本では言語から異なります。言語が異なるということは、考え方、法に対する概念が異なるのです。そして翻訳を終えたら、さあ終わりというわけでもありません。法は、それを運用するための技術や、さらにはその学問的背景(法学)が必要となるからです。この講義では、近現代の日本における法制度の形成と、法学の変容について、相互をリンクさせながら学んでいきたいと思います。

第1回講義内容
近現代日本法制史の前提

第2回講義内容
方法の輸入と時代区分論

第3回講義内容
明治憲法の制定と天皇

第4回講義内容
戦前期の公法学

第5回講義内容
法典論争と近代法の修正

第6回講義内容
戦前期の私法学

第7回講義内容
二つの刑法と刑法学

第8回講義内容
戦時立法と総力戦体制

第9回講義内容
戦時期の法学

第10回講義内容
占領下の法体制

第11回講義内容
戦後法学の形成

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

基本的には最終日に行う試験で成績評価を致します。なお、授業内で、あるいは宿題の形で、課題小レポートの提出を求める場合もあるかもしれません。これも最終的な成績評価の対象と致します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

日本近代法制史 第2版/川口由彦 新世社 2014
日本近代法史講義/伊藤孝夫 有斐閣 2023
近代法思想史入門/大野達司・ 森元拓・ 吉永圭 法律文化社 2016
日本法史から何がみえるか/高谷知佳・小石川裕介編 有斐閣 2018
概説日本法制史 第2版/出口雄一・神野潔・十川陽一・山本英貴編 弘文堂 2023
日本法制史/浅古弘・伊藤孝夫・植田信廣・神保文夫編 青林書院 2010
よくわかる日本法制史/岩谷十郎ほか編 ミネルヴァ書房 2024

受講上の要望、または受講上の前提条件

法制史/法史学は、法学と歴史学の双方を視野に収める学問です。できるならば本講義受講前に、「法学(憲法を含む)」の単位取得(テキスト科目としてもあるいはスクーリング科目としても)があると、より分かりやすいかもしれません。熱心な受講を望みます。